会社の売上が伸びない。組織がうまく回らない。そんなとき、多くの人は「戦略」や「やり方」を変えようとします。しかし本当に必要なのは、その前段階にあるものでした。清水康一朗さんが語ったのは、「心の状態を整えること」がすべての出発点だという事実。毎朝5時55分から行っている「1分朝活」で明かされたその話は、ビジネスとは単なる売上づくりではなく、美しい状態から始まるものだと気づかせてくれるものでした。

頭のいい経営者が、会社が苦しいときに最初に整える「たった1つのこと」Photo: Adobe Stock

なぜ人は「見えていないまま」努力してしまうのか

一生懸命やっているのに結果が出ない。その原因は、能力や努力不足ではありません。「見えていないこと」にあります。

私は『奇跡が起きる毎朝1分日記』の著者として、毎朝5時55分から「1分朝活」を無料で開催しています。心と行動を整えるための短い習慣ですが、毎週月曜日はゲスト講師をお迎えしています。

今回のゲストは、『もしブッダがつぶれそうな会社の社長だったら』(Gakken)の著者、清水康一朗さん。セミナーポータルサイト「セミナーズ」を立ち上げた起業家であり、仏教やインド哲学にも精通されています。

私たちは「7つの盲点」によって判断を誤る

清水さんが教えてくれたのは、「私たちは多くのケースで物が見えなくなっている」ということでした。

たとえば、自分が何をやろうとしているのかが言語化できていない。どこまでやろうとしているのかが数値化できていない。だから努力の方向がズレてしまうのです。

本書では、主人公が「鏡」を通じて自分の盲点に気づき、言語化→数値化→最適化→最大化→組織化→自動化→永続化へと進んでいきます。ビジネスとは、見えていないものを見えるようにしていくプロセスなのです。

盲点は「自分に囚われる」と見えなくなる

ではなぜ見えなくなるのか。答えはシンプルで、「自分に囚われるから」です。売上、不安、評価などに意識が向きすぎると、本質が見えなくなります。

清水さんは、呼吸を整え、瞑想をすることで状態を整えると、自然と盲点が見えてくると話していました。解決策を探す前に、まず「見る力」を取り戻すことが必要なのです。

「何をしているかわからない」と言われた意味

清水さんは起業7年目、事業が伸びている中で、神主から「まだ10年経っていないなら、自分が何をしているかわからないでしょう」と言われ、強い違和感を覚えたそうです。

しかし10年後、その言葉の意味がわかりました。売上は上がっていたが、「誰のために、何をしているのか」が見えていなかったのです。多くの人は気づかないうちに「自分のためのお金儲け」に陥ります。状態が整うことで初めて、それが言語化され、ビジネスの軸が見えてきます。

言語化とは「自分を客観視すること」

言語化とは、考えることではなく「観察すること」です。人は他人には的確なアドバイスができますが、自分のことになると見えなくなります。だからこそ、瞑想で一度「今」に戻り、客観的に自分を見ることが重要。

観察できると自覚が生まれ、内省ができ、行動が変わる。このプロセスが、ビジネスの変化を生み出します。

ビジネスは「美しい状態」から始まる

清水さんは、普通の人でも心の状態を整えればうまくいくと話していました。逆に言えば、状態が乱れたままでは、どれだけ努力しても歪みが出る。

そのために、毎朝ヨガや太陽礼拝、中村天風さんのルーティンを実践されているそうです。会社が苦しいときほど、動きたくなります。しかし本当に必要なのは立ち止まり、自分を整えること。

ビジネスを変える最初の一歩は、戦略ではなく「状態」です。そこからすべてが見え始めます。