ILLUSTRATION: ALEX NABAUM FOR WSJ
株式市場がバブルの状態にあれば、それは危険だ。だが、もしあなたが「これがバブルだ」、あるいは「そうではない」と確信しているなら、事態はさらに危険かもしれない。
半導体株は4月に38%超上昇し、月間ベースでは2000年2月以来の高いリターンを記録した。グーグルの親会社 アルファベット は4月30日に10%高となり、1日で時価総額を4210億ドル(約66兆1500億円)以上も積み上げた。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、1日の時価総額の上昇幅としては、株式市場の歴史上で歴代2位の大きさとなった。
筆者は最近のニュースレターで、「私たちはバブルの中にいるのか」と問いかけた。これに対し、米国内外の読者から多くの意見が寄せられた。
「端的に言えば、イエスだ」と、パラグアイの読者ピーター・ハンセン氏はメールで答えた。「間違いなくバブルだ」と断じるのは米オハイオ州在住のトム・ハゲドーン氏。独ミュンヘンのクリストフ・スタール氏は「いや、典型的なバブルではない」と否定する。米フロリダ州のキャスリン・アシュビー氏もスタール氏と近い考えだ。「株価の上昇は異例の規模だが、企業利益が伸び続けているからこそ株価も高騰している。利益こそが市場の源泉だ」
読者の皆さんには申し訳ないが、以前にも警告した通り、バブルを見極めることは見かけ以上にはるかに難しい。もしバブルを簡単に識別できるなら、誰にでもそれが可能なはずだ。そして、誰にでも識別できるのであれば、そもそもバブルは形成されないだろう。
投資家はバブルが膨らみ始めるのを見ると、すぐに回避するか、あるいは逆張りを仕掛ける。そうすれば、バブルは破裂する前に収束するはずだ。
さらに、市場の一部における割高感を、全てがバブルである兆候だと誤解しやすい。ほとんどの時期に、少なくとも一部の企業や業界は、 バブルのように見える ほど急速かつ大幅に上昇しているものだ。
すでに数年前からそうだった ように、株価が割高に見えても、必ず市場が崩壊すると断言するのは難しい。結局のところ、当時、投資家が後に人工知能(AI)に対してこれほどの熱狂を示すと正確に予測していた者はほとんどいなかった。
そして将来、AIに次ぐ別の変革的な技術が台頭する可能性もある。ちょうど、かつて相場をけん引した技術革新への熱狂ーークラウドコンピューティングやフラッキング、インターネットなどーーがAIに取って代わられたように、だ。








