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株価、6万円台突破もさらに上昇
AI・半導体の成長ストーリーが押し上げ
日経平均株価は連休明けの5月7日、一時6万3000円台となる高騰で、終値も前営業日比3320円72銭高の6万2833円84銭と、史上最高値を更新、上げ幅も過去最大になった。
4月23日に、取引時間中として初めて6万円台をつけると、その2営業日後の27日には終値ベースでも6万円を超えた。
上昇の勢いが強まった直接の要因は、米国とイランの戦闘が近く終結する期待感だが、上昇基調をけん引するのは世界的なAI(人工知能)ブームだ。
米国を中心にデータセンターの建設需要が旺盛で、半導体や通信機器・ケーブル、電力インフラなどに関連した銘柄に投資家の熱視線が集まる。
逆にいえばそれ以外の銘柄はさえない。中東情勢の影響が懸念され、世界経済の減速リスクは大きい。IMF(国際通貨基金)は、今年の世界経済見通しを従来の3.3%から3.1%へと下方修正し、中東情勢次第でさらに2%程度まで落ち込むリスクがあるという。
一方で物価上昇率は、原油価格の高止まりなどで上方修正だ。これを世界的なスタグフレーションと呼ぶかどうかは定義次第だが、経済に下向き、物価に上向きの圧力がかかっているのは確かだ。
これは財政金融政策では対応困難なマクロ情勢だ。今の内外株価は、マクロ情勢から切り離されたAI・半導体の成長ストーリーだけで押し上げられているといっても過言でない。
この状況についての評価は分かれるだろう。
一つの見方は、偏った株価の上昇は長続きせず、いずれ調整を迫られるというものだ。逆に、AI・半導体の成長ストーリーがあるからこそ、混迷する中東情勢の下でも世界経済は持ちこたえているともいえる。
また、株高による富裕層の消費でインフレの高止まりが続くと、それが金利の高止まりも招いて住宅ローンを借りる人々に一層の逆風となる。いわゆるK字型経済がさらに進む恐れがある。
そもそも、日本の株価と実体経済との乖離(かいり)の背景には、より本質的な構造問題がある。







