「これらを使いこなせれば、MBAで学習する課題の8割以上に対応できる」
そう謳うのが、書籍『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(ダイヤモンド社)だ。この本は、国内で圧倒的なシェアを占める日本No.1のビジネススクールであるグロービスが、授業やコンサルティングの現場で定番となっている「有名フレームワークTop100」を厳選し、使いやすさを重視して図解したビジネス書である。
ビジネスの定石であり先人の貴重な知恵であるフレームワークを使いこなせれば、それだけでビジネスパーソンの生産性は何倍にも上がるという。
この記事では、そんな同書から一部を抜粋・編集し、あらゆるビジネスパーソンにとって強力な武器となるフレームワークの重要性について紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・上村晃大)

「正しい決断ができる人」が無意識にやっている思考の整理術・ベスト1Photo: Adobe Stock

数字の「表面的な動き」に騙される人たち

 ビジネスの現場において、データに基づく意思決定は欠かせません。しかし、数字を扱っているつもりでも、単に表面的な動きだけを見て判断を誤ってしまう人がいます

 彼らは「Aが増えるとBも増える」というデータを見ただけで、「Aが原因でBが起きている」と早合点してしまいます。

 一方で、圧倒的に仕事ができ、常に正しい決断を下せる人は、直感や表面的な数字の連動性に騙されません。彼らは、事象の背後にある「本当の関係性」を冷静に見極めているのです。

ベスト1:因果関係と混同しない「相関分析」

『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』では、重要な数値に影響を与える要素を探るためのツールとして「相関分析」が紹介されています。

 データから法則性を見出し、企業活動を効率化するこの考え方と、陥りやすい罠について、次のように解説されています。

「相関関係がある」とは、多次元(人間が分析を行う際は通常は2次元)のデータをプロットした際に、その並び方に何らかのルール(法則性、連動性)がある状態のことを言います。そのルールをうまく活用することで、企業活動の効率化に役立つ場合があります。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(56ページ)
 よくある錯覚は、2つの因子のあいだに相関関係があることと因果関係があることを混同してしまうことです。たとえば、月ごとのビールの売上高と海水浴場の水難事故の件数のあいだには相関関係がありますが、因果関係があるわけではありません。両方を高める要因である「気温」という要素があり、気温が上がる月にビールの売上高も増え、海水浴客も増えるため、見掛け上、相関関係が生じているのです。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(59ページ)

「本当の原因(因果)」を見抜いて打ち手を決める

 優秀なビジネスパーソンは、データから相関関係を見つけ出すだけでなく、「それは本当に因果関係があるのか?」と常に問いかけます

 ビールの売上が水難事故の原因ではないように、ビジネスにおいても「見掛け上の相関」は数多く存在します。そこに気づかず、間違った変数をコントロールしようとすれば、無駄なコストと時間を費やすことになります。

 数字の動きに振り回される思考を手放し、「両方に影響を与えている本当の要因は何か」を見極める。このフレームワークの正しい使い方を身につけることで、意思決定の精度を飛躍的に高めていきましょう。

(本稿は、『フレームワークBEST100』の内容をもとに構成したオリジナル記事です)