PHOTO ILLUSTRATION: ELIZABETH COETZEE/WSJ
金融の歴史は多くの教訓を与えてくれるが、融資に関する教訓ほど明白なものはほとんどない。
融資が急増しているときは要注意だ。その多くが返済されないことになるからだ。資金が返ってくるかどうかではなく、いかにして資金を貸し出すかを貸し手が重視しているときは要注意だ。貸し手がより早期に引き揚げ可能な資金で長期ローンを賄っているときは、要注意だ。そして貸し手が多額の借り入れをし、怪しげな信用格付けに依存し、あるいは貸し出しの背景に規制当局の要求がある場合は、深刻な問題に備える必要がある。
プライベートクレジットの世界 とはこのようなものだ。
個人投資家は既に、自分たちが投資したプライベートクレジット・ファンドが期待したような成果をもたらしていないことに気付き始めており、多くの投資家が、想定していたほど迅速には資金を取り戻せていない。
問題は、プライベートクレジットの苦境が経済全体、あるいは最悪の場合には、金融システム全体、特に一般の人々が預金している銀行に波及する可能性があるかどうかという点だ。筆者としては、プライベートクレジットに投資しているかなりの数の人々が損失を被るかもしれないが、金融システムの他の部分の損失は対処可能なものになるとの考えに傾いている。
ただ、ベン・バーナンキ氏の過ちが繰り返されることも筆者は警戒している。2007年に米連邦準備制度理事会(FRB)議長だった同氏は、金融システムはサブプライム住宅ローン破綻の影響を受けないと世界に向けて語っていた。
ところがバーナンキ氏の心強い発言から何カ月もたたないうちに、サブプライムローン問題の影響が金融分野に深く及んでいたことが明らかになった。その結果としての信頼喪失は、まずリセッション(景気後退)を招き、その後1929年以来の大規模な金融危機につながった。
だからこそ先に挙げた、歴史が示す注意点に立ち返るべきだ。







