そりゃ自業自得だわ!
退職代行を使った人が失う「意外なもの」

 現在は一般的に売り手市場ですから、20代ならポテンシャル採用に救われることがあるかもしれません。しかし、年齢を重ねた30代後半~40代での短期的な転職の繰り返しは、「ジョブホッパー(バッタが跳ねるようにジョブを転々とする人)」とみなされ、戦略性がない場合は「なぜ、短期で職を変えるのか」と、採用する側にとっては大きな不安材料になります。

 このループを断ち切るのもまた、上司との対話です。できれば最初の会社であることが理想ですが、何社目の転職であったとしても、どこかで上司とキャリアについて腹を割って真剣に話してみる必要があります。

 退職代行を繰り返してきた人の中には、「上司は怖い存在」「対話は避けたい」「自分は間違っていない」という感情もあるかもしれません。しかし、上司や会社が自分のどこを評価して、何を期待して、どこに不満や不足を感じていたのかを、一度も聞かないまま職場を離れる選択は、自分にとって貴重なフィードバックの損失になるかもしれません。

「自分の認識している期待役割と強みはこれですが、会社の期待や認識はいかがでしょうか?」と上司に確認することで、お互いのズレを修正することはできたかもしれません。

 自分のやりたいことを伝えることで、希望の部署や役割に配置転換されたかもしれませんし、自分が知らなかった人事制度やロールモデルになる先輩を教えてもらえたかもしれません。退職代行を使われた側の上司や人事は、「話してもらえれば、一緒に解決策を考えられたかもしれないのに……」「せめて一度、事前に相談してほしかった」と言います(そういう話し合い自体が辞める側にとって精神的な負担になる、という気持ちも理解はできますが)。

 退職代行を利用すること自体は否定しませんが、運任せの「上司ガチャ」を引き続ける前に今の上司と対話しても損はしないと思います。