SNSを見て、買い物をしたり、流行の場所に行ったりする人もいるだろう。流行に追いついていることは確かに大切かもしれない。でも、SNSばかり見ていると、「本当の自分は何をしたかったのか」がわからなくなってしまう人も多いのではないだろうか。「私の人生、このままでいいのか?」と感じる人におすすめなのが、書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書の発売を記念して、ライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

他人の人生を生きている人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

気づかないうちに「流行り」に乗せられていないか?

都心に住んでいたとき、春になると、中目黒に桜を見に行くのが習慣になっていた。

目黒川沿いの桜が見頃を迎えると、多くの人が訪れて、写真を撮ってはSNSに上げていく。あの淡いピンクの桜並木、屋台の活気、そして押し寄せる人波。気づけば私も、毎年そこにいた。

屋台でクレープを買い、人の流れに合わせて歩いていく。ときどき足を止めて写真を撮るものの、落ち着いて眺める余裕はあまりない。

花をゆっくり見るどころではない。それなのになぜか毎年行ってしまうのだ。

特徴ワースト1:「誰かの基準」が「自分の基準」になっている

私たちは気づかないうちに、「流行っているもの」に踊らされていることがある。

あの芸能人が着ているブランド……
桜で人気のあのスポット……
今流行しているスイーツ……

それらは、自分で選んでいるように見えて、「他人に選ばされている」のだ。

そして、その欲望のループは尽きることがない。

欲望の無限ループから抜け出す方法:「今この瞬間に味わえる小さな幸せ」に目を向ける

神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍するキム・ソクチェ氏は、欲望の無限ループから抜け出す方法として、著書『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』でこう述べている。

「他人は他人と考え、自分は今この瞬間に味わえる小さな幸せのほうに目を向けること。」――本書より

流行っているから行く。
話題だから買う。

その選択が、自分の中から出てきたものかどうかを確かめないまま、決めていることも多いだろう。

誰かがきれいだと言った場所に行き、同じように写真を撮る。

目黒川の桜も、そういうことだったのかもしれない。

それが悪いわけではない。ただ、気づかないうちに、他人に刷り込まれたことが、「自分のやりたいこと」にすり替わってしまっていることも多いのではないだろうか?

「自分基準の選択」が本当の充実感を生む

その後、郊外に引っ越した。

近所に川があって、春になるとその両岸に桜が咲く。

ただ桜があって、風があって、空があった。
きれいだと、素直にそう思えた。

中目黒で花見していたときに感じた、あの少し引っかかるような感覚が、ここにはなかった。

混んでいないから、という理由だけではない。

自分がこの桜を見たくてここにいる、ということが、わかったからだと思う。

本書には、脳科学と哲学の知見をもとに、「自分の行動の根っこにある衝動」を見直すための視点が積み重ねられている。

他者に乗り遅れないために行動しているのか、自分のために行動しているのか。

流行や他人の目に引っ張られながら生きていることに気づいたとき、「自分が本当に望んでいること」を、初めて考えるきっかけになるはずだ。

(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』に関する特別投稿です)