「漢字が読めなくても、朝に大人が読み上げるので、困ることはありません。でも、自分で読めたほうが便利だろうな、と子どもたちは気づきます。気づけば、自発的に漢字を学んでいきます。押しつける必要はないんです」
押しつけでは、つまらない。先ほどの同じ漢字をノートに10個も書く練習は、よく学校でやらされることです。それこそ強制的にやらされるわけで、それでは子どもたちが楽しいはずがありません。「漢字は嫌いだ」という子が少なからずいますが、強制される学習方法が原因で嫌いになっている子も少なくないのです。
バラバラだけど、みな真剣に学んでいる
ヒロックの蓑手さんは、自由進度学習の先駆者です。最近は公立の小学校でも自由進度学習に取り組んでいるところがあります。そのなかには、蓑手さんを講師に迎えて学んでいるところもあります。その蓑手さんが指導するヒロックでの自由進度学習を見学したことがあります。
椅子に座って学習している子もいれば、床に座った姿勢で学習している子もいました。床に腹ばいになってパソコンを開いている子もいます。同じテーブルを使いながら別の学習をしている子どもたちもいれば、何人かで同じテーマを話し合いながら学習している子どもたちもいます。なかには、みんなから離れた場所で、ひとりだけで学習している子もいました。
それが自由進度学習の“光景”です。一般的な学校であれば、みんながきちんと椅子に座り、前方の黒板の前で話をする教員のほうを見ている、いわゆる「一斉授業」が普通の光景です。一斉授業はいまでも根強くて、ほとんどの学校がこのスタイルをとっています。
保護者のほとんどが一斉授業スタイルで育ってきているので、授業といえばこのスタイルだとの思いこみも強いようです。自由進度学習を取り入れている公立小学校で話を聞いたことがありますが、その授業風景に不安を感じる保護者が多いそうです。授業をしていない、勉強していない、と受けとるらしいのです。保護者の判断は自分の経験してきたことを基準にしているからです。







