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「仕事に生かせて、手軽に取れるコスパのいい資格はありませんか」――40代、50代の社員からそんな相談を受けることが増えているそうです。キャリアへの不安から資格に活路を見出そうとする気持ちは理解できます。しかし、人事・採用コンサルタントの安藤健氏は「根本的な勘違い」だと言います。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)
履歴書の資格欄は
採用で重視されない
「簿記2級かITパスポートでも取ろうかと思っているんですけど、他におすすめの資格はありますか」
40代・50代の社員からこういった相談を受けることは、珍しくありません。インターネットで「コスパのいい資格」「中高年におすすめの資格」と検索すれば、それらしい記事がいくつも出てきます。そういった記事がよく読まれているということは、それだけ同じような悩みを抱える人が多いということでもあります。
キャリアへの漠然とした不安を感じているとき、資格という目に見える形のある目標に向かうのは、心理的に理解できる行動です。合格すれば何か変わるかもしれない。履歴書の資格欄が充実すれば転職に有利になるかもしれない。一発逆転のきっかけになるかもしれない。そういう期待を持つのは自然なことです。
しかし、採用担当者として長年にわたり中高年の面接をしてきた立場から言わせていただくと、候補者の資格欄を重視したことはほとんどありません。新卒の採用面接でも同様です。なぜなら、資格の有無は仕事の実力とほとんど関係がないからです。少なくとも、数カ月の学習で取れるような資格についてはそう言えます。
少しでも履歴書を充実させようとする気持ちはわかります。ただ、その努力の方向性が根本的にずれているかもしれません。手軽に取れる資格で市場価値が上がるという期待は、残念ながら現実とはかなりかけ離れています。今回はその理由を解説します。







