ホルムズ回避の新ルート、大規模トラック輸送が担うUAE・オマーン間の国境検問所に並ぶトラック Photo: The Wall Street Journal

 アラビア砂漠を疾走する大型トラックの車列が、世界経済の安全弁となっている。

 かつてアラブの交易を支えた隊商の現代版ともいえるこの動きの中で、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、オマーンの幹線道路・鉄道・港湾が、ホルムズ海峡を迂回(うかい)する緊急物流の生命線へと変貌した。

 米国とイスラエルによるイラン攻撃後、サウジの国営鉱業会社マーデンのボブ・ウィルト最高経営責任者(CEO)は同社幹部を紅海の複数の港に派遣し、2週間以内に鉄道・トラック事業者を手配し、肥料をサウジ国内で輸送できる体制を整えた。

 鍵となったのは、大量のトラックだ。ほぼ24時間体制で稼働し、それぞれ2人のドライバーが乗務する。

「600台が1600台になり、2000台になった。今では3500台のトラックがペルシャ湾岸から紅海へと走っている」。米アルミニウム大手アルコアの幹部だったウィルト氏はそう話す。

ホルムズ回避の新ルート、大規模トラック輸送が担う

 米メリーランド州出身のウィルト氏によると、マーデンでは5月末までに輸出滞貨を解消できる見通しだ。「それができる、あるいはできないという確信があったかどうかは定かでない」と同氏は言う。この取り組みのおかげで、世界の食料供給を脅かしている肥料不足の解消へ大きく進展しつつある。