10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。
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イライラした心を静める意外なものとは?
昔中学生を教えていた頃、こんなことがありました。
私が建物の中で授業の準備をしていると、駐車場のほうで「バン!」と大きな音がしました。ちらっと外を見ると、車で送ってきたお母さんを無視するかのごとく、中3の女の子がドカドカ歩いてきています。
先ほどの「バン!」は、車のドアをきつく閉めた音だったのでしょう。明らかに機嫌が悪い。
案の上、女の子は塾のドアをがさつに開けて入ってきて、席につくなり「う~」と、顔を机に伏してしまいました。5分ぐらいずっとそうしているので、「気が向いたらやって」と言って、私はあるものを女の子に渡しました。
迷路です。
すると、本人的には、おそらく親と喧嘩をして腹を立てているんだけど、塾に来た以上やる気はあるので、とりあえず迷路をやり始めた。
最初はむしゃくしゃした様子で、筆圧も強めでした。しかし、書き進めるにつれて、だんだん無心になってきて、ゴールをしたときには、すっかり落ち着いた表情に。そして、ようやくいつもの精神状態に戻って勉強することができたのです。
実は、迷路には人の心を落ち着かせる効果があります。
乱れた心をすーっと整えてくれるのです。
これは経験則ですが、多くの子どもたちを見ていても間違いないと確信しています。
迷路は、入り口があって出口があります。
迷いながら道を進んで行って、最後はゴールできる。それが自分と重なるのかもしれませんね。行き場のない感情が、迷路という物理的なものを通して出口にたどり着くことができるのです。
だから、友達関係で悩んでいたり、イライラしたりしているときには迷路をさせてみてください。『「算数力」は小3までに育てなさい』の巻末の「天才パズル」にある迷路(P219、229、245、247)でも、市販されている普通の迷路でもどちらでもかまいません。
*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。




