家族を守らないといけない
炎上を生き抜く支えとなった言葉とは
――どん底から、どうやって前を向くことができたのですか?
とにかく家族を守らなければならないという思いが強かったので、「落ち込んでいる暇もなかった」というのが本音かもしれません。
――今の時代、芸能人でなくてもSNSを通じて誰もが一夜にして炎上し、追い込まれてしまう可能性があります。そんな時、どうやって立ち上がればいいのでしょうか?
「気にしすぎないこと」に尽きます。落ち込んだり、傷ついた時に「気にするな」と言われても、それは無理な話です。ただ、重要なのは「しすぎない」こと。気にしすぎない、考えすぎないことが大切です。
江戸時代の僧侶・良寛の言葉で、私も支えにしている言葉があります。
「災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候」
無理に抗うのではなく、まずは現実をありのままに受け入れる。その上で「気にしすぎない」ことを心がけると、自然と前も向きやすくなると思います。
なぜ焼肉屋が盛況なのか?
ゴルフも商売も勝負どころは同じ
――深みがありますね……。ところで現在、お店は盛況だそうですが、なぜ「焼肉」を選んだのでしょうか?
自分が面白いと思ったから。例えば、ホルモンにフレンチのタレを使ってみるなど、試行錯誤が楽しいんです。
美味しいものには「甘み」だけでなく、「酸味」が非常に重要です。例えば日本酒にも甘口/辛口があるように、実は酸味が味の骨格を決めている。
自分が探求して見つけた「美味しい」をみんなに食べてほしい。美味しいって、人を無条件に幸せにしますよね。
――飲食ビジネスに手を出す芸能人は多いですが、知名度があればうまくいくような甘い世界ではないと思います。
その通り、簡単にはいきません。私が意識している戦略はシンプルで、「勝つ要素を増やして、負ける要素を減らすこと」です。これはスポーツと全く同じ。つまり「良い準備をする」ということです。
ゴルフで例えるなら、「なぜスライスが出るのか?」を感覚で終わらせず、スイングの軌道やグリップなど、ひとつひとつの要素を分解して修正していく。
ビジネスも同じで、失敗する要素をひとつずつ潰し、成功する要素を地道に積み上げていく。そうやってシンプルに考えることが大切だと思っています。
いしだ・じゅんいち/1954年生まれ、東京都出身。早稲田大学在学中に、俳優・演出家を目指し渡米。帰国後「演劇集団円」の研究生となる。下積みを経て、79年にNHKドラマでデビュー。88年にフジテレビのドラマ『抱きしめたい!』でブレイク、トレンディ俳優として人気に。97年に夕方の報道・情報番組のメインキャスターに就任するも、不倫騒動で翌年に降板。以降は、バラエティー番組やゴルフ番組を中心に出演。2009年にプロゴルファーの東尾理子さんと結婚し、3人の子を授かる。23年、千葉県船橋市に「炭火焼肉ジュンチャン」を開業。







