「eが付かないビターラ」は存在する?

 こんにちは、AD高橋です。

 スズキ初のBEVとして登場したe VITARA。現在は商用軽ワンボックスのe エブリイも販売されています。e エブリイはスズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発したBEVシステムを搭載し、ダイハツ e-ハイゼットカーゴのOEM供給という形で販売されています。

2026年3月に発売されたe エブリイ2026年3月に発売されたe エブリイ(広報写真)

 ところでe エブリイは「エブリイ」のEVモデルという位置付けですが、今回取材したモデルの車名がe VITARA(ビターラ)ということは、ただの「ビターラ」も存在するのでしょうか。

日本名は「エスクード」、海外名「ビターラ」

 結論から言うと「ビターラ(VITARA)」というモデルは存在します。ただ、これまで日本では販売されていません。いや、日本でも販売されていたのですが、別の車名がつけられていました。そのクルマは「エスクード」です。

2024年まで販売された4代目エスクード2024年まで販売された4代目エスクード(広報写真)

 コンパクトSUVのエスクードは1988年に初代がデビューし、これまで4世代が販売されています。日本では初代、2代目は人気モデルでしたが、2005年に登場した3代目から人気に陰りが見え始め、2015年に登場した4代目は販売台数が伸びず、2024年に日本での販売が終了となりました。

 でも海外では人気モデルで、現在でも生産・販売が続いています。日本での人気が伸び悩んだのは、競合するコンパクトSUVが多かったことも理由のひとつに挙げられます。

1988年に発売された初代エスクード。1990年には5ドアのエスクードノマドが追加された1988年に発売された初代エスクード。1990年には5ドアのエスクードノマドが追加された(広報写真)

5ナンバーの本格クロカンとして登場した初代エスクード

 初代エスクードはランクルやハイラックスサーフ、テラノなど本格クロスカントリー(当時はRVとも呼ばれました)が大手を振るっていた時代に、5ナンバーサイズの超小型クロカンとして登場。後にRAV4も登場してライトクロカンと呼ばれるようになったモデルです。デビュー時は3ドアハードトップとコンバーチブルが設定されましたが、後に5ドアを追加。5ドアモデルはエスクードノマドと名付けられました。ジムニーの5ドアがジムニーノマドという名称になったとき、エスクードを思い出し妙に嬉しくなったものです。

 初代と2代目はコンパクトボディながらラダーフレーム構造という本格派。3代目はラダーフレーム一体型モノコックボディという特殊な構造を採用しました。そして現行型は完全なモノコックボディを採用。世界的なクロスオーバーSUVへのニーズに応えたのです。駆動方式もFFベースの4WDに変更されました。

結論:ビターラとe ビターラは「別物」

 ビターラとe ビターラという車名から、e ビターラはEV版ビターラだと連想しがちですが、両車は全くの別物です。プラットフォームもe ビターラはEV専用のHEARTECT-eが採用されていますし、内外装のデザインも大きく異なります。スズキのコンパクトSUV(コンパクトと言ってもスズキの中では大きいサイズになりますが)であるビターラというブランドのBEVという位置付け。それがe ビターラなのです。

 ちなみにこちらがスズキのグローバルサイトに掲載されているVITARAのページです。日本でエスクードはそこまで盛り上がりませんでしたが、今見るとなかなかカッコいいと思いませんか?

(AD高橋)