スペースXとアンソロピック、オープンAIが上場準備 AIブームの節目Photo:Brandon Bell/gettyimages

 全てがたった1日のうちに起きた。

 史上最も注目を集めるスタートアップ3社が20日、時価総額1兆ドル企業への道を歩み始めた。スペースXは新規株式公開(IPO)に向けた目論見書によって、実業家イーロン・マスク氏を世界初の「兆万長者」に押し上げる可能性のある画期的なIPOへの道筋を示した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、アンソロピックは予想よりもはるかに早く黒字化する可能性を示し、オープンAIは早ければ22日にもIPO申請を行う準備を進めている。

 一方、世界最大級の2社は人工知能(AI)時代の厳しい現実に直面した。エヌビディアは820億ドルという過去最高の売上高を記録したにもかかわらず投資家の反応は鈍く、メタ・プラットフォームズは8000人の従業員のレイオフを開始した。

 メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は20日、社員宛てメモでAIを「私たちの生涯において最も重要な技術」と呼んだ。

「私たちが取り組んでいること全てについて、私は楽観的に見ている。しかし、成功は決して約束されたものではない」と記した。

 AIブームの驚くべき性質とはまさにこうしたものだ。膨大な資金需要、絶えず入れ替わる勝者と敗者、そして産業全体を一瞬にして興隆させたり崩壊させたりし、景況感を一変させる力を持つことだ。

 数々の大手グローバルテクノロジー企業の株式を保有するオーガスティン・アセット・マネジメントのジェフリー・ベルナルドCEOは「現状維持などあり得ない。全てがものすごい速さで進化している」とし、「AI製品への需要は高まり続けており、供給を上回っている。こうした状況が全て生産性の向上につながっている」と語った。

 ベルナルド氏の会社は、スタートアップが上場する際の投資について「柔軟な姿勢」で臨むが、同氏は投資判断を下す前にIPO申請書類を慎重に精査する予定だ。