Photo:Mike Kemp/gettyimages
世界で最も格式高い高級時計メーカーの一つにとって、けばけばしい400ドル(約6万3600円)のプラスチック製時計に自社のブランド名を貸し与えることに、どんなメリットがあるのだろうか。
注目を集めた スウォッチ とオーデマピゲのコラボレーションに関する初期の評価では、スイスのカジュアル腕時計ブランドであるスウォッチが大きな勝利を収めたとみられている。だがスイスの高級時計メーカー、オーデマピゲは長期的な戦略を描いている。スウォッチの店舗の外で最近繰り広げられた大混乱は、オーデマピゲが意図していたものではなかったかもしれない。それでも、「ロイヤルポップ(Royal Pop)」を巡る騒ぎは、オーデマピゲのブランド名を新たな客層に売り込む効果があった。
400ドルの「ロイヤルポップ」は、スウォッチが高級時計の主要ブランドと行う3度目のコラボレーションだ。ただ、最初の2回はスウォッチ・グループ傘下のブランドとのコラボだった。ロイヤルポップの八角形のデザインは、オーデマピゲの「ロイヤルオーク」を模したものだ。ロイヤルオークはコレクターの間で垂涎(すいぜん)の的になっている。小売価格は最低でも2万ドルで、さらに高額なモデルもある。フランスの高級ブランド、エルメスの人気バッグ「バーキン」のファンと同様に、以前に購入履歴がなければ新たに手に入れることは難しい。
「ロイヤルオーク」はオーデマピゲの売り上げをけん引している Photo: Elizabeth Coetzee/WSJ; Prop Styling by Catherine Campbell Pearson
スウォッチはロイヤルポップによって、スマートウォッチの普及で壊滅的な打撃を受けた手頃な価格帯の時計の販売をテコ入れしようとしている。2022年には、同社は米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士バズ・オルドリン氏が1969年に月面を歩いた際に着用していたオメガの「スピードマスター」をベースにしたクオーツ時計「ムーンスウォッチ」を285ドルで売り出し、大ヒットを収めた。







