「自分にもっと才能があれば…」
誰しも一度はそう思ったことがあるだろう。活躍する同期、年下の有名人、同世代の天才…素直な称賛とは裏腹に「自分だって、本気出せばできるはず…」と思い悩んでいないだろうか。
「『才能がない』と諦める必要なんてない。」そう語るのは、“才能”をテーマにした漫画『左ききのエレン』で累計420万部超を突破した漫画家のかっぴー氏だ。現在はアニメ化・複数連載を抱える人気漫画家だが、実は誰よりも才能に苦悩し続け、25年以上『才能の正体』を考え続けてきた。今回はその“実践的な才能論”を初めてまとめた書籍『
天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』の中から、「あなたが持つ才能の正体」に迫る。

【天才になれなかった全ての人へ】才能がなくても「伸びる人」の特徴Photo: Adobe Stock

1日1000本コピーを書いた

僕は漫画家になる前、コピーライターを志望していました。

その時やったことがあります。それは「1日1000本コピーを書く」です。2週間で1万本書きました。1日は24時間なので、単純計算でも1時間あたり40本以上書いてようやく。さすがに寝ないといけないので、ペースはそれ以上速いです。

当時の上司がそれを見て、僕の才能をジャッジしてくれました(今考えると、見てくれるほうもすごいですよね)。結果として僕はコピーライターにはなりませんでしたが、あのときの経験は、今に確実に活きています。

「才能があるか?」はわからない

「自分に才能があるか?」なんてわかりません。自分の才能が発動するのを待っていたら、人生はあっという間に終わってしまいます。

僕は自分の才能は「サイコロ」のようなものだと思っています。サイコロを振って、「才能のある目」が出るか、出ないか、という考え方です。

ただ、サイコロの目はなかなか出ません。天賦の才を持つ人ならすぐ出るかもしれませんし、運よくすぐに出せる人もいます。しかし、目が出ないなら1万回振るしかありません。

誰よりも速く回転させる

だからこそ、サイコロを振って、振って、振りまくる。「誰よりも早く回転させる」ことが大事なのです。

僕はそうやってサイコロを振り続けた結果、10年前、書いた漫画がネットでバズって漫画家になりました。その後『左ききのエレン』を思いつき、連載に。漫画家になった最初の1年間は本当に見返りを求めずやりました。元々ギャグ漫画作家として求められていたので、シリアスな漫画を描き始めた時は「ギャグだけ描いてろ」「画力が伴ってない」と馬鹿にもされました。最初の月収は5万円でした。でも、本気出してやってみてダメだったら諦めようと思って漫画家になったんです。

今回の本でも使った言葉『天才になれなかった全ての人へ』は、自分に向けた言葉です。何の見返りもなく死に物狂いで漫画を書きました。文字通り、命を懸けていました。

その後、ジャンププラスの編集から声掛けしてもらい、10年経ちますが戦いは続いています。だからずっと才能については考えてるし、チェンソーマンより面白い漫画書きたいって本気で思ってやってます。どうしたら自分の才能を引き出せるか未だに考えています。

(この記事は『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』に関する特別な書き下ろし原稿です)