「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」といっている。
そんな木下氏が語る、一瞬で「地頭モード」になれる人の考え方とは? (構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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あなたの脳には「スイッチ」がついている
前回、こういう話をしました。
仕事では圧倒的な成果を出しているのに、恋愛になるとまるでダメになる人。
勉強はすごくできるのに、アルバイト先では動きが鈍い超一流大学の学生。
逆に、仕事はイマイチでも、遊びになると抜群に段取りがいい人。
もし「地頭」が生まれ持った脳のスペックなら、こんなことは起きないはず。
高性能パソコンなら、どんなソフトを動かしても速いですから。
では、なぜ多くの人に、公私でこんなにムラがあるのでしょう。
答えは1つしかありません。
地頭とは、「能力」ではなく「状態」だからです。
私はこの現象を解明するため、自身はもちろん、多くの社員や取引先の方々、友人などの行動や思考プロセスをずっと観察してきました。
同じ人がある場面では目の覚めるような活躍をし、ある場面では信じられないようなポンコツぶりを発揮する。その違いを突き詰めていくと、ある一点に行き着きました。
それは、思考の「スイッチ」が入っているか、入っていないか。
ただそれだけの違いでした。
脳が高速回転する「地頭モード」とは?
仕事をしているときの私は、無意識のうちにこのスイッチを「ON」にしています。
スイッチが入ると、脳のOSが切り替わり、目の前の情報処理モードが変わります。
「目的は何?」
「現状はどうなっている?」
「最短ルートはどこ?」
こうやって脳が自動的に高速回転し始める。
私はこれを「地頭モード」と呼んでいます。
一方、オフィスを離れた瞬間、私はこのスイッチを「OFF」にします。
深く考えず、目に見えたものだけに反応し、言われた言葉をそのまま受け取る。過去の記憶や習慣だけで行動する。
つまり、「地頭がいい人」とは、「地頭モード」のスイッチを適切に入れられる人のこと。
逆に「地頭が悪い」と悩んでいる人は、元々の能力が低いわけではなく、スイッチの場所や押し方をまだ知らないだけ。
これは、朗報です。
もし地頭が先天的才能なら、今から地頭をよくすることはできません。
しかし、単なるスイッチのON・OFFの問題なら話は別。
スイッチの場所と押し方さえわかれば、誰でも「地頭のいい状態」になれるのです。








