手軽に始められる朝食抜きや1日1食ダイエット。しかし医師の目から見ると、長期的に続けることには慎重にならざるを得ない根拠がある。短期絶食のデメリットを、データとともに整理する。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』からヒントを探る。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

【医者が教える】「朝食抜きダイエット」はやめたほうがいい理由Photo: Adobe Stock

絶食明けの食事で、血糖値が想定以上に上がる

短期絶食にはメリットもある。
しかし同時に、見落とされがちなデメリットも存在する。

その一つが、絶食明けの食後血糖値の上昇だ。

朝食を抜いた日の昼食後は、朝食を食べた日の昼食後と比べて、血糖値がより高い値を示すことがわかっている。

空腹の時間が長いほど、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなる――これは、絶食を続ける上で知っておくべき基本的な体の反応だ。

「朝食を食べない習慣」が健康に与える影響

短期絶食はメリットだけでなく、デメリットもあります。その代表的なものが、絶食明けの食事では食後の血糖値が通常よりも上昇してしまう現象です。


たとえば朝食を抜いた場合の昼食後の血糖値は、朝食を食べた場合の昼食後の血糖値よりも高い値を示します。では、朝食を食べない人と食べる人とでは、長い目で見た場合、どちらの人が健康なのでしょうか。
米国での研究では、朝食を食べない人の方が食べる人よりも肥満や高血圧を発症しやすいという結果でした。さらに、学生の場合は、朝食を食べない学生の方が成績が悪かったそうです。


一般的に自己流の絶食や節食は、栄養欠乏や筋肉量減少のリスクがあります。持病がある人は特に注意が必要です。また栄養だけでなく、水分不足、すなわち脱水になる危険もはらんでいます。絶食時には水分摂取に常に気を配ってください。


このように1日1食や朝食抜きのような短期絶食ダイエットを何年間も続けることには、私はあまり同意できません。

米国での研究によると、朝食を食べない人は食べる人と比べて、肥満や高血圧を発症しやすい傾向があるという結果が出ている。

また学生を対象にした調査では、朝食を抜く学生の方が成績が低い傾向も報告されている。

これらはあくまで研究結果の一例であり、個人差もあるが、長期的な朝食抜き習慣がリスクと無縁ではないことを示唆するデータとして参考になる。

自己流の絶食が招く、3つのリスク

医師が特に懸念するのは、自己流で続ける絶食や極端な節食だ。
主なリスクとして、次の3点が挙げられる。

一つ目は栄養欠乏
食事回数を減らすことで、必要なビタミンやミネラルが不足しやすくなる。

二つ目は筋肉量の減少
たんぱく質が十分に摂れないと、体は筋肉を分解してエネルギーに変えようとする。

三つ目は脱水
食事には水分も含まれているため、食事回数が減ると水分摂取量も知らず知らずのうちに不足する。
絶食中は、意識的に水を飲む習慣が重要だ。

持病のある人は、絶食や節食を始める前に必ず医師に相談することを勧める。
体への影響は個人によって大きく異なるためだ。

食事制限を検討しているなら、まずかかりつけ医や栄養士に相談することを出発点にしてほしい。

(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)