(2)良質な脂質(特にオメガ3系脂肪酸とコレステロール)
「脂質はカロリーが高いから避ける」という発想は、すでに過去のものだ。
テストステロンはコレステロールから合成されるため、極端な脂質制限は、ホルモンの材料供給を絶つことになる。米国の新ガイドラインも、全脂肪乳製品や卵、自然な動物性脂質の摂取を肯定的に位置づけた。
避けたいのは、トランス脂肪酸や酸化した植物油、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取だ。一方、青魚(サバ、イワシ)やサーモンに含まれるEPA・DHA、オリーブオイル、ナッツ類は、慢性炎症を抑え、テストステロン環境を守る方向に働く。オメガ3、オメガ6のバランスを整える意識が重要となる。
(3)亜鉛・マグネシウム
地味だが、戦略的に取っておきたいミネラルが亜鉛とマグネシウムだ。
亜鉛はテストステロン合成と精子形成に必須で、欠乏すると血中テストステロンが低下することが報告されている。牡蠣、牛赤身肉、ナッツ類が主要供給源だ。
マグネシウムは、睡眠の質、神経筋伝達、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)との関連を通じて遊離テストステロンの動態にも関わる。海藻、ナッツ、葉物野菜から摂取できるが、日本の働き盛り世代では両者ともに不足が指摘されている。
(4)ビタミンD
近年最も注目されているのが、ビタミンDだ。
ビタミンDは骨代謝だけでなく、免疫機能や筋機能、気分の安定にも関わる栄養素で、男性ホルモンとの関連も研究が進んでいる「ホルモン様栄養素」だ。
鮭、卵黄、きのこ類が供給源だが食事だけで充足するのは難しく、不足が疑われる場合は血中25(OH)D値を測定した上で補充を検討する、という姿勢が現実的だ。ただし、サプリメントを飲めば誰でもテストステロンが上がるわけではないことも頭に入れておきたい。








