「多汗症」の疾患啓発で“異例”の光景…科研・久光・マルホの競合3社が手を組む「切実な理由」ここからが正念場の3社(左から科研・小関氏、久光・鶴田氏、マルホ・川崎氏) Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

「山之内は受診してもいいと思いますか?」

「改善したいと思っていらっしゃるとしたら、治療はありますので、ぜひお越しください」

 4月22日、都内で開かれた「汗で病院あたりまえに委員会」の発足イベントで、タレントの山之内すずさんの疑問に、池袋西口ふくろう皮膚科クリニックの藤本智子院長(日本臨床皮膚科医会常任理事)が答えた。「そう言ってもらえると安心します。『体質だから……』で済ましてしまう」と話す山之内さんに、全国に数百万人いるとされる「多汗症」に悩む人々は思いを重ねたことだろう。

 この委員会は、社会の汗に対する思い込みや空気を変えるために設立された。「かぜをひいたら病院へ行くように、汗に悩んだら病院へ行くことが当たり前にできる」社会の実現をめざすという。多汗症に関する知識や各種データをわかりやすく掲載した公式サイトを立ち上げ、SNSを用いた企画なども随時発信するとしている。

 冒頭の山之内さんも汗で苦労してきたひとりだ。「感じる暑さと汗の量が釣り合っていない」そうで、大量の汗によって服の色が変わってしまう「汗じみ」を気にするあまり、着たい服をあきらめ、吸汗性のいいインナーを探し続けているとの悩みを明かしつつ、今もマイクを持つ手の汗が気になり「いろんなことを頭の中で考えながら仕事をしていたりする。私自身改善したい」と吐露した。

 藤本院長によると、ワキや手など体の一部に多くの汗をかく原発性局所多汗症の有病率は「10%」と高く、10歳~20歳代が約4分の1を占めるという。ただ多感なこの年代は、どうしても受診を躊躇いがちだ。そのなかで「いろんなメディアに出て羞恥心が年々少なくなっている今だから言える」と打ち明ける山之内さんは、同じ悩みを抱える若年層の背中を押す存在とも言えそうだ。