50代を迎えるまで仕事に全力投球してきたこと。そして、そのストレスから身体が悲鳴を上げて、病気やメンタルダウンを経験したことがあったということです。

 そんな彼らは、役職定年によって、むしろ責任を手放したことで、すっきりしたというのです。

55歳をすぎたら
「会社からの評価」を手放そう

 この感覚がおわかりになる人は多いのではないでしょうか。

 思えば30代くらいで「中堅」と呼ばれるようになってからずっと、「あのプレゼンを成功させねばならない」「数字を達成しなくてはならない」など、常になんらかの責任を感じて働いてきたのではないでしょうか。

 寝ても覚めても、そのことが頭から離れないまま、ずっと過ごしてきたのではないでしょうか。

 その責任を手放せることになれば、どんなに自由か。

 むしろ救われないのは、役職は下がったのに責任感だけは今までと同じ、という人かもしれません。朝から晩まで働き続け、数字を追いかける……。

「責任感の現れ」と言えるかもしれませんが、会社にそうまでして尽くしたところで、何も得るものはないというのに……。

 ということで、50代になったら、まず手放してもらいたいのは、「仕事に対する責任」です。

 仕事をサボれ、ということではないのですが、これまで、過剰なまでに会社からの期待に応えようとしてきた意識を変え、期待に応えられなくても「まぁいいか」くらいに思うようにしてほしいのです。

 そもそも、責任と言えば聞こえがいいですが、多くは会社から課された目標に対する責任であり、その正体は結局「他者評価」なのではないでしょうか。

 定年後は、会社も上司もなくなります。つまり、あなたを評価してくれる人は消え去り、すべてが「自己評価」の世界になります。

 上からの指示も命令もなく、他者評価もない中で、「どう生きれば一番幸せか」を考え、実行していくのが定年後です。

 その状態に徐々に慣れていくための第一歩が、「(会社に対する)責任を手放す」ことだと私は思うのです。