期待が大きすぎると、当然ながら現実とのギャップも大きくなり、私たちは不満に思うのです。逆に、あまり期待をしなければ、ひどい現実に直面しても、へっちゃらです。「まぁ、最初からうまくいかないと思ってたから」と軽く受け入れることができるのです。
外食をするときには、お店にあまり期待しないことがポイントです。「行列ができているということは、相当においしいに違いない」などとおかしな期待を持つから、食事が済んだときに、たいしておいしくなかったとか、価格ばかり高かったとか、店員の態度もなっていなかったとか、悶々(もんもん)とした気分を味わうことになるのです。
あまり期待せずにお店に入ったとしたら、どうなるでしょうか。思いのほかボリュームのある食事に満足できたとか、マスターが愛想のいい人だったとか、トイレが広くてキレイだったとか現実のほうが期待を上回り、「いい店を見つけてラッキー」と思うかもしれません。期待しなかったぶん、幸せな気分になれるのですね。
年配者のほうが若者より
人生に対する満足感が高い理由
一般に、年配者は若者に比べて不満が多くて愚痴っぽく、文句ばっかり言っているようなイメージが持たれているようですが、実際には逆です。年配者と若者を比較する研究では、「年配者ほど幸せでいられる」という傾向を示す研究のほうが多いのです。
当時スイス・チューリヒ大学に所属していた経済学者のハネス・シュワント氏が、ドイツ人13万人のパネル調査(長期的に継続される調査)のデータを分析してみると、年配者のほうが若者よりも人生に対する満足感が高いことが明らかにされました。
では、どうしてそのような結果になるのかというとシュワント氏は、その理由の一つとして期待水準の変化を挙げています。年配者は長年の経験から、「現実はどうせ自分の期待どおりにいくわけがない」ということを学んでいます。おかしな期待を持つことがないので、ガッカリさせられることもなく、いつでも穏やかに幸せでいられるのです。







