【寄稿】米国がイランで成し遂げたことPhoto:Kevin Dietsch/gettyimages

 イランとの戦争は、限定的な戦争にとどまっており、その結果は決定的なものにはならない可能性が高い。しかし、中東を以前よりずっと好ましい地域に変える上で、十分な成果を上げた。

 米国による3カ月間の軍事攻勢によって、イランの通常戦力・ミサイル在庫・代理勢力は大打撃を受け、同国の影響力は低下した。

 米国、イスラエル、アラブ諸国は、この戦争に対処するための防衛協力や情報共有を通じて関係を緊密化させた。この点において、イスラエルの安全保障はかつてないほど強固なものとなっている。イスラエルは、2023年10月7日のテロ攻撃に対して猛烈な反撃を行い、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスといった、イランの代理勢力をたたきのめした。これら代理勢力は地元住民の脅威になっていた。こうした脅威との継続的戦いに関して、イスラエルが国際的支持を確保することの外交的なハードルは依然高い。しかし多くのアラブ諸国は、イスラエルの正当性をもはや疑問視していない。それどころか、イスラエルとの技術・経済協力から利益を得ようとしている。その最大の動機は、自国の近代化だ。

 この戦争は、米国の軍事力と同盟国の情報収集能力によってイラン政権の指導者たちが命の危険にさらされていることを明確に示した。また、ホルムズ海峡を封鎖する能力がイランにあっても、その力が限定的であることを浮き彫りにした。米国による同海峡の逆封鎖という対抗措置によって、イラン経済が深刻な打撃を受けることが分かったからだ。

 この戦争には世界的な意味合いもあった。戦争は中国がアラブ世界の友人ではないことを示した。中国政府はイランが地域の経済インフラを攻撃するのを傍観した。ウクライナは高度な防衛能力を用いて対イラン戦争を支援し、自国が米国とその同盟国にとって有益な存在であることを示した。ロシアがシリアやベネズエラで、恐らくはキューバでも、そしてウクライナの戦場で戦略的敗北を重ねている今こそ、ウクライナを強力に後押しすべきだ。