Photo:Cheng Xin/gettyimages
私は2019年、米中間の競争をテーマにした自著の取材で、東莞市に新設された華為技術(ファーウェイ)の広大な研究開発(R&D)拠点を視察した。東莞の拠点は深圳の本社から車で1時間ほどの場所にあり、その規模は圧倒的だった。300エーカー(約1.2平方キロメートル)もの広大な敷地に2万5000人を超す従業員が働き、深圳の地下鉄を模したミニチュア鉄道が、パリやルクセンブルクといった欧州の都市の名が付いた12の「街」をつないでいた。同社の幹部は、この風変わりなデザインについて「我が社は欧州で成功しているのだ」と大まじめに語っていた。
この施設は、同社の自信を物語っていた。同年11月のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、創業者の任正非氏は、トランプ大統領を視察に招待し、米国の制裁を特有の強気な姿勢で一蹴した。「永遠にそのままにしておけばいい」と同氏は制裁について述べた。「我々はやっていける」
ファーウェイの東莞R&D拠点にて筆者(2019年)PHOTO: LINGLING WEI/WSJ
それから6年以上がたった今も、ファーウェイは健在だ――そして依然として自信を見せている。先週、同社の半導体部門トップの何庭波氏が上海で開催されたチップ業界の会議に登壇し、ムーアの法則に代わるものが現れたと発表した。チップの性能が約2年ごとに倍増するというムーアの法則は、1960年代以来、業界の指標だった。ファーウェイの「チップの女王」として知られる何氏は、新しい法則を「タウの法則」と名付けた。
しかし、ファーウェイの技術論文を注意深く読むと、同社が意図したものとはかなり異なる内容が浮かび上がってくる。
その技術は本物だ。従来のチップを平屋建ての建物に例えるなら、何十年もの間、その上により多くを詰め込む方法は内部のすべてを縮小することだった。ファーウェイの技術は異なる方法をとる。小さく作るのではなく、上に積み上げるのだ。2層の回路を重ね合わせることで信号の伝達距離を短縮する。同社はこの方法により、次世代チップの密度が前世代比55%向上し、2031年までに最先端の性能を実現できると発表した。







