「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。「地頭のいい子の育て方」とは? ライター小川晶子氏が報告する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

まわりから一目置かれる「地頭のいい子」の育て方・ベスト1Photo: Adobe Stock

一目置かれる「頭のいい子」

小学校高学年の息子の同級生に、「頭がいい」と周囲から一目置かれている子がいる。
単純に成績がいいというわけではない。
中学受験のために塾に行っている子は多く、知識が豊富だったり、新たな単元の問題をスラスラ解いてしまう子はいくらでもいる。

そんな中で「頭がいい」と思われる理由は、彼がブレイクスルーを起こせるからだ。
たとえば、算数の授業の中で先生が「新たな解き方」を考えさせる問題を出す。
みんな、「すでに知っている解き方」が邪魔してなかなか「新たな解き方」を考え出すことができず、ウーンと唸っている。

そこに、ただ一人「思いついた!」と前に出て解き方を披露する。
教科の授業だけではなく、クラスの話し合いで行き詰まってみんながウーンと唸っていると、突破口となる意見を出してくれたりするのだ。
物知りな子は多いけれど、「コイツはちょっと違うぞ」と思われている。

知頭VS地頭

ベストセラー著者でありカリスマ経営者の木下勝寿氏による『地頭スイッチ』では、地頭とは持って生まれた才能ではなく、「状態」と考える。
本書によれば、誰でもスイッチを入れることで「頭いい!」と思われる状態になることが可能だ。

一方で、多くの人が陥りがちな「知識をため、記憶する頭の使い方」を本書では「知頭(ち・あたま)」と呼んでいる。

「まだ習っていないからできない」
「知っている解き方以外はわからない」
これらは「知頭モード」で考えることである。

仕事の現場でも同じだ。
「やったことがないので無理です」
知頭モードでやっている人はこう言ってしまう。

しかし、仕事では前例のないもの、正解のない問いだってたくさんある。

正解はつくるもの

本書にはこうある。

知頭は、正解は「すでに存在する」と思っているため、「知っているか、知らないか」で考え、知らない場合は「知っている人に聞き」ます。
一方、地頭は「正解はつくる」と考えています。
――『地頭スイッチ』より

正解のつくり方はこうだ。
選択肢がいくつかあった場合、まず正解の「可能性が高いもの」を、理解している「答えの出し方」に基づいて選ぶ。

どれも当てはまらないと思えば新たな選択肢をつくる。
そして実行しながら、その選択肢を正解にしていく。

こういう思考のモードでいると、「知っているか、知らないか」は関係ない。
「答えの出し方」に基づいて考えれば正解はつくれると思うから、果敢にチャレンジすることができる。
そうしているうちにブレイクスルーを何度も経験することになり、いっそう地頭スイッチが入りやすくなるという善スパイラルになるのだろう。

私も息子も、地頭スイッチを入れて正解をつくれるようになりたいと思う。