後先考えず、周囲の反対も押し切る私の行動は、頑固で危なっかしいと言われているかもしれません。でも勇気を持ってそういう動きができるからこそ、ニトリでは数々の人気商品が生まれているわけです。

本当に悲しむべきなのは
短所があることではない

 この勇気を支えてくれたのが発達障害の特性なのだと思ったら、感謝です。「無理だから諦めよう」と先回りして何もしないより、思いついたらやってしまうほうがずっといい。せっかく仕事をするなら、ハラハラドキドキしたほうが楽しいじゃないですか。

「とにかくやっちゃう」。そういう勇気が、私の人生に良いスパイスを与えてくれていると感じます。

 時々想像するのですが、もし自分が普通の会社に勤めて、普通の生活を送っていたら……、絶対成功しなかっただろうなあと思います。妻からも「他の人が普通にやれることはできないけど、人のやらないことをやるのがあなたね」と言われていますから。

 私の好きな言葉は「短所あるを喜び、長所なきを悲しめ」です。人を喜ばせることのできる長所があれば、必ず応援してくれる仲間ができます。そうすると、あとの短所は全部消えてしまうんです。

 でも考えてみると、世の中には真逆の状況がありますよね。

 幼い頃の子どもたちは「あれもできたね」「これもできるようになったんだ」と一人ひとりのできることが褒められるのに、小学校、中学校に入ると世界が変わります。急に「みんなと同じようにできないのか」と叱られるようになる。自分のペースでやっているだけで、「和を乱すな」とにらまれる。こうなってくると、発達障害がある人の「これができない、あれができない」という短所のほうばかりに目が向けられやすくなります。

 すると、親御さんも他の子と比べてできないことを心配しすぎたり、我が子を守ろうと過保護になったり、時には子どもを責めてしまったりします。その気持ちもわかりますが、やっぱり私は、短所があってもそれでいいと思うのです。