現代のリーダーは考えるべきことが多すぎる。
優秀なマネージャーは、「少しだけ演技」する。あえて「演じること」を選べば、「部下に信頼される」「会社に評価される」「自分も疲れない」職場になる。そんなリーダーの実践的なふるまい方をまとめたのが、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』(本田淳也著)である。本稿では、同書の内容を一部抜粋して紹介する。

優秀なリーダーほど「考えすぎない」理由・ベスト1Photo: Adobe Stock

考え続けるリーダーの危険性

経営が難しくなっている時代、リーダーは多くのことを考える必要があります。
売上のこと、部下のこと、上司のこと、数年先の戦略のこと――頭の中は常にフル回転です。

でも、忘れてしまいがちなことがあります。
それは、ずっと脳をフル回転させていると、確実に脳は疲弊することです。

私自身、昨年秋から年末にかけて、深い労働相談や原稿執筆が立て込んだとき、年末には話すのもしんどいという状況になりました。

朝起きてもすでに疲れている。眼精疲労もひどい。神経もピリピリ。宅配便に対応するのもきつい――。
仕事のパフォーマンスにも大きく影響していました。

これはまずいと思い、年末年始は何もせずボーッと過ごしました。
テレビも見ず、スマホも触らず、ただ音楽を聞いて、食べて、寝るという日々でした。
それでほぼ回復しましたが、意外と時間がかかりました。
そこで強く実感したのは、「ボーッとするのが意外と難しい」ということでした。

メンタルや脳は疲れを感じにくい

同じ頃、休みなくフル回転で仕事をしてきた顧問先のエネルギッシュな経営者が、パニック障害と診断されました。現在は、ゆっくりと脳を休ませながら業務をこなしています。

情報過多の時代で、脳は休まる暇がありません。
スマホを見れば情報が次々と入ってきます。
メールやチャットの通知も鳴り続けます。

精神障害に関する労災保険の請求件数は毎年増加傾向です。
連続1か月以上休職した労働者がいた事業所の割合は約10%にも上ります。

身体とは違い、メンタルや脳は疲れを感じにくいものです。
気づいたときには、すでに深刻な状態になっているケースも少なくありません。

何もしない時間の価値

やることがない、退屈――。
そんな時間にも、実は大きな意味があります。

脳は、何もしていないときに情報を整理し、回復します。
ボーッとする時間がなければ、考えも深まりません。
創造的なアイデアも生まれません。

リーダーだからこそ、意識的に脳を休ませる時間を作るべきです。
週の一日は完全OFFにする。寝床に仕事を持ち込まない。スマホを見ない時間を作る。
自分自身を大切にすることが、チームを守ることにつながります。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)