その完成度を高め、キックオフから採用するようになったのです。
W杯最終予選で危なげなく勝ち点を積み重ねて世界最速で2026年W杯のチケットを手にし、2025年10月にブラジルに、2026年3月にイングランドに親善試合で勝利しました。
アタッカーも空中戦も強化する
一石二鳥のシステム
この「攻撃的3-4-2-1」の最大の長所は、より多くのアタッカーを起用できることです。
他国と比べたときに日本代表のアドバンテージは、「2列目」と呼ばれるトップ下、シャドー、ウイングのポジションにたくさんのタレントがいることです。伊東純也選手、南野拓実選手、三笘薫選手、堂安律選手、中村敬斗選手、久保建英選手が代表例です。
もし4-2-3-1を採用すると、「2列目」のポジションは3つしかありません。一方、3-4-2-1にすると、「2列目」のポジションは4つに増えます(シャドー2人+ウイング2人)。
日本代表特有の2列目のタレントを最大活用できるシステムです。
相手のカウンターを防ぐという観点でもこのシステムは優れています。
ウイングバックが高い位置に上がった状態を数字で表記すると「3-2-5」になります。3バックがしっかりカウンターに備え、ダブルボランチがこぼれ球に素早く反応できるように配置されています。
また、空中戦の勝率アップも見込めます。
2024年にカタールで開催されたアジアカップにおいて、日本は相手のロングボール戦術に苦しみ、ベスト8でイランに敗れてしまいました。
その際の基本システムが4-2-3-1でした。イラン戦で右サイドバックに入った毎熊晟矢選手は攻撃に持ち味があるタイプで、空中戦のバトルに慣れていませんでした。イランはそこを目掛けてロングボールを蹴り続け、日本は先制しながらも逆転されてしまいました。
歴史を振り返ると、日本はW杯の舞台で空中戦に苦しんできました。
2006年W杯初戦のオーストラリア戦では次々に長身選手を投入されて逆転負け。2018年W杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦もまったく同じでした。
『世界一やさしいサッカーの見方 40個のポイントで試合が劇的におもしろくなる』(木崎伸也、朝日新聞出版)
日本はブラジルサッカーの影響からパスをつなぐ文化が育ち、ロングボールをカッコ悪いと感じる土壌があります。それゆえに大型選手めがけて徹底的にロングボールを放り込むチームは少なく、ヨーロッパの選手たちに比べて理不尽な空中戦に触れる機会が限られています。
日本人センターバックが大型化して少しずつ改善していますが、まだまだ空中戦は日本の弱点です。
4バックだと一般的にセンターバックタイプは2人ですが(残り2人はサイドバックタイプ)、3バックならセンターバックタイプを3人起用できます。すなわち空中戦耐性が上がります。
日本が擁する2列目のタレントを多く起用でき、なおかつ空中戦の強度も上げられる。「攻撃的3-4-2-1」はまさに一石二鳥のシステムです。







