勝率は驚異の7割なのに…日本代表・森保一監督が史上初100試合達成で語った「謙虚すぎる言葉」100試合目を勝利で飾り、笑顔を見せる森保一監督 Photo:JIJI

2025年のサッカー日本代表は、森保一監督が刻んだ歴史的な数字とともに幕を閉じた。年内で最後の一戦となった11月18日のボリビア代表戦で、2018年9月の初陣から通算100試合を達成した。日本サッカー史上では初めての大台到達。7割近い勝率を含めて歴代代表監督のなかでトップに立ったまま、すでに8大会連続8度目の出場を決めている来年6月開幕のワールドカップ北中米大会に臨む意義を、ともに戦ってきた選手たちの言葉などを介して改めてひもといた。(ノンフィクションライター 藤江直人)

クラブチームと代表チームで異なる
「100試合」の重み

 サッカーの世界で「100試合」の意義や価値を問えば、クラブチームと代表チームとでは大きく異なってくる。たとえば日本代表で100試合出場を達成している選手は、長い歴史のなかで8人しかいない。そのうち現役でプレーしているのは144試合の長友佑都と126試合の吉田麻也だけとなる。

 これが日本代表監督となると、さらに希少価値が増してくる。100試合で指揮を執った指揮官は実はわずか1人だけ。2018年9月のコスタリカ代表戦でデビューを果たした森保一監督が、2025年のラストマッチとなった11月18日のボリビア代表戦で通算100試合に到達。大きな話題を呼んだ。

 ボリビア戦をもって出場数が48試合になった久保建英が、こんな言葉を残している。

「クラブチームの100試合と代表チームの100試合とでは(要する)年数が違いますよね。監督自身はそういうもの(100試合)を気にするタイプではないと思うけど、代表監督のサイクルが3、4年と言われているなかで、4年以上にわたって続けているのは、それだけ実績がある証だと思っています」