ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

いまや、60代は“消費を我慢する世代”ではなくなった。博報堂の調査で見えてきたのは、「時間」「資金」「体力」が揃うことで、人生でもっとも能動的に消費を楽しむ“令和シニア”の姿だった。※本稿は、広告代理店の株式会社博報堂ストラテジックプラニング局、株式会社Hakuhodo DY ONE『THE FRONTLINE GENERATION令和シニア なぜいまZ世代マーケターは60代に「未来」を見るのか?』(宣伝会議)の一部を抜粋・編集したものです。

50代や70代とも異なる
60代特有の消費パターン

 令和シニア(編集部注/筆者は、70代以降のシニア世代と現役世代とに挟まれながら新しい生き方をしている60代を、令和シニアと定義している)は「賢く貯めながら、賢く使う」世代です。

 では、彼らが持つ柔軟な審美眼と強い自己投資意識は、具体的にどのような消費のパターンを生み出しているのでしょうか。この消費行動の秘密を解き明かす鍵は、世代間の「お金をかけたいカテゴリ」の比較にあります。

 50代、60代、70代の3世代で「今後お金をかけたいと思うカテゴリ」を比較すると、彼らの消費意欲の傾向は、以下の4つのタイプに分かれて浮かび上がってきました。

・右肩上がりタイプ(50代<60代<70代)
・右肩下がりタイプ(50代>60代>70代)
・山型タイプ(60代が最も高い)
・V型タイプ(60代が最も低い)

 この分類は、単なる世代間の嗜好の違いではありません。そこには、人生の目標が「形成」から「保全」へ、「義務」から「解放」へと変化する中で、各世代がお金というリソースをどう再配分しているかという、切実な戦略が隠されています。

 特に「山型」や「V型」といった60代に特有の動きは、令和シニアが持つユニークな価値観と立場がわかりやすく映し出されていると言えるでしょう。