それでは、この興味深い消費のパターンを1つひとつひも解いていきましょう。

タイプ1:右肩上がりタイプ
年を取るほど需要が高まる食品や日用品

 このタイプに含まれるのは、「健康」「食品」「日用品」といった、まさに生活の「土台」に直結し、年齢が上がるにつれて消費意向が高まるカテゴリです。これは、人生のステージが成熟するほど、生活の「質」や「安全性」を担保するニーズが、自然に高まるためです。

 特に「健康」への支出意向は、年齢を重ねれば、身体の衰えや健康リスクが高まるのは想像に難くないことから、人生の最優先課題となります。病気の治療から予防や維持へと関心がシフトし、健康を維持するための支出は、ごく自然な傾向として増加していきます。

 同様に「食品」も、健康という土台を築くため、価格よりも品質や信頼性、そして栄養バランスを重視するようになります。食べるものが自分の体をつくるという実感が増すほど、質の高い食材を選ぶことが、日々の生活の充実感にもつながります。

 そして「日用品」の支出も、生活の快適性や安全を求めるニーズから増加します。重いものを運ぶ苦労や、体を動かす際のちょっとした不便さを解消し、日々の小さなストレスを減らすための高機能な製品など、「労力を金で買う」という、人生の後半を心地よく過ごすための賢明な選択が見られます。

タイプ2:右肩下がりタイプ
車・バイクや投資への意欲は減少

 対照的に、「車・バイク」や「投資」は、年代が上がるにつれて消費意向が減少する「右肩下がりタイプ」に分類されます。これは、人生のフェーズが「資産の形成・拡大」という攻めの姿勢から、「手元に残し、安定させる」という守りの姿勢へと変わっていることを反映しています。

「車・バイク」の支出が減少するのは、免許の返納や運転頻度の減少など、ライフステージの変化に伴う自然な流れです。彼らは、車という大きな資産を維持するコストや手間という「所有の重荷」を避け、必要な移動は公共交通やシェアサービスへと切り替える、「利用」という軽快な手段を選ぶ柔軟性を示しています。「使わないものを持たない」という身軽な生き方を、自ら実践しています。