初対面の人と会う前はとても不安.......。そんな気持ちになったことはありませんか。そんなときに試してほしいのが、「会った人の名前」を記録する新しい日記です。その名も「人日記」(ひとにっき)。本記事では、新刊『人日記 1日1分、会った人の名前を書く』(内山厳・著)から、1日1分「会った人の名前」を書くだけの新しい習慣について紹介します。

【不安が和らぐ】毎日“名前”を書くだけの不思議な習慣Photo: Adobe Stock

「名前」を呼ぶことのメリット

「人日記」とは、「会った人の名前」を記録する新しい日記です。今日あったことや感想を書くのではなく、「人の名前」を書くだけなのです。

ではなぜ、一般的な日記のように出来事ではなく、「人の名前」にこだわるのでしょうか?

それは、日記に書き留めて「記憶」することが、次回その人の名前を「呼ぶ」ための確実な準備になるからです。

そして、相手の名前を呼ぶことには、単に「親しくなる」以上の、大きなメリットが隠されています。

名前を呼ばれることには、承認欲求が満たされる他に、大きな意味があります。それが、心理学でいうところのカクテルパーティー効果です。

駅やレストランなどの騒がしい場所でも、自分の名前や自分に関係のあるキーワードだけは不思議と耳に飛び込んできた経験はないでしょうか?

人間の脳は、膨大な情報の中から「自分にとって重要な情報」を無意識に選ぶ機能を持っています。

たとえば研修で「皆さん」と呼びかけても、受講生の脳内では「自分以外の誰か」に向けられたノイズとして処理されてしまうことがあります。

しかし、そこで「田中さんはどう思いますか?」と名前を添えるだけで、情報の優先順位が上がり、受講生の意識は一気にこちらへとフォーカスされます。

つまり人は、名前を呼ばれることで「他人事」から「自分事」へと意識が切り替わるのです。

不安も解消してくれる

それだけではありません。名前は、話す側の不安も解消してくれます。

同級生に対して「◯◯さん」ではよそよそしいし、かといって急に呼び捨てや「ちゃん」づけで呼ぶ勇気もない。

学生時代の私はそんな些細なことでいつも悩んでいました。

その点、ビジネスの世界では「苗字+さん」という便利なルールがあるため、社会人になって心の底から安心したことを覚えています。

相手の呼び方に迷わないだけで、コミュニケーションのハードルはぐっと下がります。

まずは相手の名前を覚えて、会話をするときは名前を呼びかける。たったそれだけで、お互いの心理的な距離はぐっと縮まるのです。

名前を呼ぶ習慣は、相手に対する直接的な効果だけにとどまりません。

たとえば、会議の場で、前回は出席していたけれど今回は欠席している人がいるとします。

そのとき、「今回は、◯◯さんはいらっしゃらないのですね」と、その場にいない人の名前を口に出してみる。

すると、当事者意識はもちろん、関係者への配慮もあることが伝わり、周囲からの信頼が高まって、あなたの印象はぐっと良くなるでしょう。

(本記事は『人日記 1日1分、会った人の名前を書く』の抜粋記事です)