散らかったままでは次の作業に取りかかれないからです。

 さらに手放すことは、状況の整理のみならず心の片づけにもつながります。

 確かに、手放すという行為には勇気がいります。

 まかせた相手が失敗するかもしれない。

 思うように進まないかもしれない。

 そうした不安があるのは当然のことですが、そこで苛立つままで終わらせてはいけません。自分の力のみで完璧を求め続ければ、いつか自分のキャパシティを超えてしまいます。

 どうすれば次はスムーズにまかせられるかを考え、工夫を積み重ねることは、チームを成長させ自分の時間を取り戻すことにつながります。

自分の時間を取り戻して
チームを成長させる

 ある経営者は、過労で倒れた経験をきっかけに、仕事のやり方を根本から見直しました。

 それまでは細部まで自分で確認しなければ気が済まず、結果的に休みを削ってまで働いていたそうです。

 しかし、倒れたあとに「自分がいなくても回る仕組みをつくる」と決意し、権限を譲り、スタッフを信じるようにしました。

 すると、驚くべきことに、彼自身のパフォーマンスが上がるのはもちろん、組織全体のパフォーマンスも安定したといいます。

「まかせることが、結果的に自分を守ることになるとは!」と、語っていたのが印象的でした。

「休む時間を増やしたい」と思ったとき、真っ先に考えるべきは“仕事を減らす”ことではありません。“抱え込まない”ことです。

 すべてを自分の管理下に置こうとせず、他人にまかせて託す。

 それが、仕事と休みのバランスを整える第一歩になるのです。