人間関係のトラブルを減らす最善の方法は「深入りしない」ことです。最初から全員と仲良くしようと無防備に近づくと、知らなくていい情報や愚痴に巻き込まれ、関係がこじれやすくなります。挨拶や愛想は良くしつつ、職場や近所などTPOに応じた適切な距離感を保ちましょう。本当に必要な縁であれば、無理に深入りしなくても時間の経過とともに自然と深まっていきます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】人間関係のトラブルを減らす「たった1つの方法」Photo: Adobe Stock

人間関係のトラブルを減らす「たった1つの方法」

今日は「人間関係のトラブルを減らす、たった1つの方法」というテーマでお届けしたいと思います。

もちろん解決策は1つだけではないのですが、今回は非常に重要だと考えていることをお話しします。人間関係のトラブルには様々なパターンがありますが、そもそも人間関係がなければトラブルは起きませんよね。

ですから、トラブルを減らす方法を1つ挙げるとすれば、それは「人間関係に深入りしない」ということになります。ただ、これだけを聞くと「誰とも関係を築けないじゃないか」「それは寂しい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで、もう少し解像度を上げてお話しします。

「最初からみんなと仲良く」が出発点の間違い

例えば、新しい職場に入った時のことを想像してみてください。「どうぞよろしくお願いします」と挨拶をする際、「ここで浮いてはいけない」「みんなと仲良くしなければ」と力んでしまうことはありませんか?

日本では昔から「みんなと仲良くしましょう」と言い聞かされて育つため、無理をしてお土産を持っていったり、自分から積極的に食事に誘ったりと、一生懸命アプローチしがちです。または、誰かから誘われた時に無理をして乗ってしまうこともあるでしょう。

実は、なんとかして仲良くしようとする、この出発点そのものが間違いだと私は思っています。「挨拶はきちんとする」「愛想も良くする」、ただし「深入りはあまりしない」という認識を最初から持っておくことが何より大切なのです。

迂闊な深入りがトラブルを招く理由

「深入りしないと疎遠になってしまうのでは?」と心配になるかもしれませんが、何でも話せるような仲になりづらいだけで、決して仲が悪くなるわけではありません。

むしろ、深く入りすぎたがゆえに人間関係は失敗することが多いのです。知らなくていいことを知ってしまったり、言わなくていいことを言ってしまったり、聞きたくない愚痴を聞かされたり。お願い事をされて、断るとギクシャクしてしまうこともあります。

また、明かさなくてもいいプライベートを打ち明けた結果、引かれたり非難されたり、別の場所で悪口を言われたりすることもあるでしょう。これらはすべて、迂闊に深入りしてしまったがゆえに起こる出来事なのです。