記事の“配信日”で露呈…米国が日本に教えてくれない「米中の本当の関係」【佐藤優】2026年5月14日、中国の習近平国家主席(右)は北京の人民大会堂で国賓として中国を訪問している米国のトランプ大統領(左)と会談した Photo:中国通信/JIJI

トランプ大統領とプーチン大統領が相次いで中国を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行いました。中国は二枚舌外交だ、という論調も見受けられますが、その解釈は間違いだと佐藤氏はいいます。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)

中国は二枚舌外交?
米中・中ロの首脳会談

 米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が相次いで中国・北京を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行いました。日本では「トランプ氏が習氏に会って、中国との関係を改善した。ところがプーチン氏が訪中したら、今度はそろって米国を非難した。中国は二枚舌外交だ」という論調も見受けられます。これは歴史の知識が足りないための読み誤りです。米中会談から振り返りましょう。

〈中国外務省の声明によると、習氏は「建設的戦略安定関係」の構築を今後3年間とそれ以降の両国関係の指針とすることで、トランプ氏と一致したと述べた。

 習氏はこうした関係について、協力を主軸としつつ節度ある競争を伴うものだとし、「相違を管理できる正常な安定」と「平和を期待できる持続的な安定」を目指すと説明した。貿易、保健、農業、観光、人的交流、法執行の各分野で両国の交流と協力を拡大するよう訴えた〉(英ロイター通信・5月14日)

 軍事以外は協力を進めようという内容であり、「今後3年間とそれ以降」「相違を管理できる正常な安定」などの表現は、トランプ政権後も台湾有事はないことを示唆します。

 次に、中ロ会談です。

〈トランプ米大統領の訪中直後だったが、米国を念頭に「一方的な覇権主義が横行している」と非難するなど、一定の距離を置き、中ロの関係が揺るがないことを示した。

 ロシア側が発表した共同声明では、両首脳は米国などによるイラン攻撃を「国際法に違反し、中東の安定を著しく損なう」と批判。紛争地域の拡大を防ぐため、対話や交渉の必要性を訴えた〉(朝日新聞デジタル版・5月20日)