米中首脳会談後にロシアが日米同盟包囲網?高市政権が近隣外交で転換を迫られる可能性米大統領のトランプが訪中して実現した中国の国家主席、習近平との米中首脳会談。いつもの饒舌なトランプ節は封印された一方、習は相当周到な準備をしていたようだ Photo:ABACA PRESS/JIJI

 ロシアのモスクワから久しぶりに日本に関するニュースが飛び込んできた。といっても政治を巡る動きではない。秋田県が2012年にロシア大統領のプーチンに贈った雌の秋田犬「ゆめ」の死だ。14年2月、ロシア南部のソチでの日ロ首脳会談の際、プーチンが「ゆめ」と一緒に当時の首相、安倍晋三を出迎えたことで一躍有名になった。その後、平昌五輪女子フィギュアスケートの金メダリスト、ザギトワにも秋田犬の「マサル」が贈られた。秋田犬は日ロ間をつなぐ“親善大使”的な存在といえた。

 ところが22年2月のロシアによるウクライナ侵攻を境に日ロ交渉はストップ、ロシアに渡った秋田犬のことも話題に上ることはなくなった。「ゆめ」の死も昨年12月だったという。この秋田犬のロシア贈呈に関わったのが秋田犬保存会会長の遠藤敬。日本維新の会の国対委員長で、高市政権の首相補佐官でもある。「マサル」の贈呈式には遠藤も安倍夫妻と共に出席した。安倍政権では秋田県出身の官房長官、菅義偉の存在も大きかった。

 しかし今となっては27回もプーチンと首脳会談を行った安倍はこの世になく、菅も2月の衆院選を機に政界を引退した。日ロ外相会談も20年2月、ドイツのミュンヘンで行われた茂木敏充とロシアのラブロフによる会談が最後で対話は途絶したまま。この間に国際政治の舞台は大きく回った。米大統領はウクライナ支援を主導したバイデンからトランプに。それに伴い、ウクライナ支援を続ける欧州各国とトランプの間の亀裂が拡大した。