もともと2人の出会いはツイッター。『30秒で「思いが伝わる」技術』の著者で若手人気芸人のしずる村上氏と、『伝え方が9割』の佐々木圭一氏の対談の後編。村上氏の大きな転機になったのは、「レッドカーペット」。笑わせること、感動させることにもルールがあった。(取材・構成/上阪徹 撮影/小原孝博)
自分にマイナスなことは、相手にはプラス
佐々木 もともと僕自身が、伝えるのがすごく苦手だったんです。寡黙な少年時代を送り、大学時代とかも地味に送っていたがゆえに、伝え方って本当に大事だと思ったんですよね。
僕自身は100思ってるのに、なんだか60くらいしか伝わらない、みたいなことを、僕は幼少期からずっと感じ続けていたんです。
だから、もっとうまく伝わるといいな、と。僕自身がそうだったように、自分の思いが100あるのに、70とか80とかしか伝わっていないなと思う人はきっとたくさんいると思っていて。
村上 それはあると思いますね。
佐々木 そういう人に、こんなふうにやってみたらどうなの、というものを提示したかった。実際に本を読んでもらって、使ってもらったら、なるべく自分の気持ちに近づいてしゃべることができたり、もうちょっとプラスαでしゃべることができるんじゃないかと思うんです。
村上 そうですね。
佐々木 村上さんの本にもありましたけど、やっぱり心を裸にして人と接すること、自分に嘘をつかないことで、相手の心は揺れ動くと思うんです。まさにそうだと思いました。ただ、一般の人には、やっぱり、これはハードルがあるじゃないですか。自分をさらけ出すって、怖い。
でも、むしろ赤裸々に語ったほうが、逆にいい印象を持ってもらえたりするんですよね。
村上 そうなんです。頭の中でイメージするものって、本当のことかどうかは別なんですよね。裸になったときって、どうしても悪いイメージしかできない。本当は違うのに。
それこそ精神論になっちゃいますけど、やってみないとわからない、というところがありますよね。それは、すごくもどかしいんですけど。
佐々木 自分が思っているほど、まわりの人は自分に注目していなかったりもしますよね。
村上 そうなんです。自分にマイナスなことを言うのは、相手には逆にプラスになるんです。自分にマイナスなことを言ってくれているんだ、というふうに捉えてくれると思うんですよ。