「しゃれたメガネの賢そうな男が…」小林虎之介がコメントで明かす、〈銀座勤務を気取った男〉のホンネが切ない…〈風、薫る第60回〉

シマケンと虎太郎がバチバチ?

 虎太郎の再登場で、恋愛ドラマの定番、三角関係が勃発しそう。

 結婚祝いを持ってきた虎太郎に、美津は、家には何もないため、りんにお団子屋さんでお茶でも飲んでくるように言う。

 りんと虎太郎をふたりきりにさせてあげようという配慮かと思いきや、りんは、いいとこの出の美津は「見栄っ張り」だと思っている。まあ、どっちもあるんじゃないだろうか。

 虎太郎はお茶を一気に飲み干して、東京にきた理由を話そうとする。やっぱりりんへの思いがあるんだろうなあと視聴者が思ったそのとき――。

 シマケンがやって来た。

 バチバチの出会い。

 シマケンのほうが裕福な家の次男で苦労知らずで、虎太郎は貧しい農家の長男で、出自的にはシマケンが有利。でもいまだ小説家志望なだけで、シマケンは何者にもなれていない。それに比べて虎太郎は、銀座の製薬会社の正社員になったところ。

「私は、りんと同じで、医療に関わる薬で、世の中の役に立てるよう働いていきたいと思っております」という虎太郎。

 捨松(多部未華子)からりんへ、りんから虎太郎に渡って包帯代わりになった白いハンカチーフが虎太郎の心を実は動かしていたのだろうか。

 目の前のギラギラした若者に負けた気分になるシマケン。

「僕は今、心機一転、筆名――小説家としての名前を考えるところから始めてみようかと」

 でもそこでりんとシマケンが親しげに話すのを見て、虎太郎がぴくり。ざわざわざわざわと風が吹き、心をかき立てるかのようなギターのメロディが流れる。

「俺、必ず出世するから」

 虎太郎はあからさまに闘志を燃やし、いまの自分にはお金があることをりんにアピールする。お金ではりんの心は動かせないと思うぞ、虎太郎。

 りんはまったく二人の気持ちを理解していない。看護で培った観察力はプライベートでは生かされていない。

 ここで過去の朝ドラの三角関係を振り返ろう。

 近頃亡くなった尾崎将也脚本の『梅ちゃん先生』(12年度前期)では主人公が医学の学校で出会った人物と最初はつきあうものの、最終的には幼なじみと結婚した。幼なじみが主人公への恋を諦めたのは『花子とアン』(14年度前期)。

 幼なじみと主人公が結ばれるパターンとそうではないパターンがあるが、今回はどうなる?

 りんのモデルである大関和はどうだったか。最初の結婚は地主で、子どもを産んだあと離婚している。その後、廃娼運動を通して社会運動家の木下尚江と出会うが、大関は生涯再婚しなかった。

 とすると、りんも、虎太郎ともシマケンともいいお友達のままシングルマザーとして生きていくのだろうか。

 朝ドラでもたまにはシングルマザーの物語があっていいとは思う。

『私の青空』(00年 内館牧子作)はシンママの物語だった。『半分、青い。』(18年度前期)や『スカーレット』(19年度後期)は主人公が離婚して、ドラマの後半はその後どう生きるかという物語だった。

 りんの人生は果たして――。予告では次週、直美にも新たな男性が現れるようだ。若い男性キャラ、多すぎ?

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