いい人でなければ、死んでもいいの?→看護教師の「夢のない答え」が的確すぎて、ぐうの音も出ない〈風、薫る第47回〉『風、薫る』第47回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第47回(2026年6月2日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

トメはただ知っていた

「いい人でなければ、死んでもいいのですか」

 究極の問い、出た。

「今からここで授業をします」

 3日間、実習を休み続けたゆき(中井友望)の部屋に入ったバーンズ(エマ・ハワード)が特別授業。

 りん(見上愛)たち6人も部屋で車座になって聴講する。

 小野田(宮地雅子)がいなくなったことに(それも目の前で)耐えられなくなったと訴えるゆき。

 バーンズは冷静に「いなくなったのではありません」「心臓の病により亡くなった」「受け持ったときには、すでに治らない状態だと分かっていたはず」と正す。

「小野田さんいい人で、毎日毎日仲良くなって、好きになってしまって」

「いい人でなければ、死んでもいいのですか」とバーンズ。

 別にゆきはそんなことを言っているわけではない。意地悪やわあ、と言いたくなる質問である。まあ、バーンズもゆきがわかっていないとは思っていないはず。

 ゆきは、ただただ好きな人を失う悲しみに耐えられないだけだ。

「この仕事は、看護婦は人を助けるだけでなく、見送る仕事でもあると。むしろ、何にもできずに見送ることの方が多い」という理想と現実のギャップをゆきは受け止められなかった。

 バーンズはトメ(原嶋凛)が悲しみを表には出さずに、粛々と仕事を行っていたことを評価する。

「耐えること、つらいと思うこと。この2つは別の話です」とここは英語で。なんで英語なのか。「耐える」と「つらい」の違いが英語のほうがわかりやすいのかも?

 ここでトメの過去が語られる。

「私は、ただ、知ってるだけだ」

 主題歌の歌詞(風はただ知っている)か。トメは風か――。