零細起業家への小口融資は、世界の貧困を解決するために資本主義が編み出した解決策、のはずだった。マイクロファイナンス――従来の銀行がうまく機能しないコミュニティーに提供される融資――は、発展途上国の貧しい人々が事業を立ち上げ、自力で経済的な豊かさを達成する助けになる。これこそが、米国で学んだ経済学者で、1970年代のバングラデシュで先駆者としてマイクロファイナンスに取り組んだムハマド・ユヌス氏が目指していたことだった。「貧困のない世界では、貧困博物館が貧困を目にすることのできる唯一の場所になるだろう」。ユヌス氏は2006年、マイクロファイナンスの取り組みが認められ、ノーベル平和賞を受賞した際、ノルウェーの首都オスロで聴衆を前にこう語った。