あなたは、おすすめされた商品ばかり買ってないだろうか?
アパレル企業を業界で史上最短で上場させた片石貴展氏は、誰でもセンスのいい人になれると断言する。本記事ではセンスを磨くために行くべき場所について述べる。(構成・ダイヤモンド社書籍編集局/淡路勇介)
Photo: Adobe Stock
それは、ほんとうに欲しいもの?
朝起きてスマホを開くと、昨日ちょっと気になって検索した靴が、
広告で表示されて驚いたことはないでしょうか。
友達と電話で話しただけの映画のタイトルが、SNSのタイムラインに流れてくる。
通販サイトを開けば、「あなたが買ったものと似た商品」が並んでいる。
音楽アプリは、「あなたのための今日の一曲」を再生する。動画を一本観終わると、次に観るべき動画が、勝手に始まる……。
現代は、「あなたが何を欲しがっているかを、あなた自身よりもスマホのほうが、正確に知っている時代」と言ってもいいかもしれません。
家を出なくても、スマホを手に取り、ベッドの上で親指を動かすだけ。それはまるで、欲しかったものが向こうから歩いてきてくれるよう……。
でも、それは、ほんとうに欲しいものだろうか?
ほんとうに自分で選んだものだろうか?
新品を売ってるアパレルショップに入ったところで、事情はそう変わりません。
お店に入ると、たいていこんなふうに話しかけられます。
「何をお探しですか?」
「先週入荷したばかりなんですけど、すごく売れてて」
「僕も持っているんですけど」
「今年の流行はこれなんです」
店員さんに悪気はありません。
資本主義であるこの世の中で、誠実に仕事をしているだけです。でも、その誠実な態度もまた、その店で売りたい商品、売上を伸ばしたい商品へと、あなたを誘導するためのレコメンド(おすすめ)であり、資本主義のアルゴリズムの一部でもあるのです。
アルゴリズムの外側へ
センスのいい人になるためには、アルゴリズムの外側へ出る必要があります。
僕がおすすめしているのは、古着屋に行くことです。
なぜ古着屋か。それは、古着屋が「アルゴリズムの外側にある、数少ない空間」だからです。
古着屋には、基本的に一点物しかありません。何年代のものかもわからない、テイストもバラバラの服が何千着と、ごちゃ混ぜになって並んでいます。マネキンもなければ、「これが今年のトレンドです」というわかりやすいポップもありません。
古着屋に行ったことがある人はわかると思いますが、古着屋ではあまり店員さんが話しかけてくることもありません。つまり、新品のお店のような「おすすめ」の圧もない。
古着屋は、だれも、正解を押し付けてこない場所であり、だれも正解を教えてくれない場所なのです。
ここではもう、「なんかこれ好きだな」「なんか惹かれるな」という、自分自身の直感だけを頼りに選び取るしかないのです。
この小さな意思決定の積み重ねが、自分だけのセンスを育てていくのです。
(本稿は、片石氏の著書『自分の言葉で話せるようになりましょう。』〈ダイヤモンド社〉の一部を加筆・修正したものです)









