大量の株取引で「利益相反ではないか」の批判も、トランプ大統領がへっちゃらな理由【池上彰・増田ユリヤ】2026年6月10日、英国で演説するリフォームUK党首のナイジェル・ファラージ氏 Photo:Ryan Jenkinson/gettyimages

英国の統一地方選挙で与党惨敗
台頭した「リフォームUK」

増田 英国の統一地方選挙が2026年5月7日に行われ、リフォームUKが議席数を1400も伸ばし、与党の労働党は大惨敗を喫しました。労働党のスターマー首相は「国を混乱に陥れるつもりはない」と辞任を否定しましたが、労働党は24年7月に14年ぶりの政権交代を果たしたばかりにもかかわらず、国民の不満が露呈したといえます。

 選挙結果を見ると、保守党も議席を減らしていますね。一方で、リフォームUKの他、緑の党も議席を増やしていることを考えると、既成政党が支持を得られないことに加え、二大政党制自体がいよいよ耐用年数を過ぎたのではないかと感じます。

池上 英国だけでなく、ドイツやフランスなど各国で伝統的な二大政党制には飽き足らない有権者が、新興政党を支持する傾向が強まっています。ドイツでは右派政党のドイツのための選択肢(AfD)、フランスでも右派政党の国民連合が勢力を伸ばしています。

増田 いずれも国内に移民との摩擦が起きていることに加え、20年代に入ってからは新型コロナウイルス感染症のまん延やウクライナ戦争、ホルムズ海峡封鎖と、国際社会における有事が続いてきました。こうした事象が経済や人々の暮らしに打撃を与えていることが影響しているのではないでしょうか。

 私は24年にリフォームUKの支持が強い「英国のラストベルト」ともいうべき地域を取材しましたが、ファラージ党首が登場すると人々は大きな歓声を上げていました。

 経済的に苦しい状況に追い込まれる中、「移民よりもわれわれの生活を第一に考えるべきだ」とスカッとするようなことを言ってくれるリーダーに支持が集まるのは、無理もないのかもしれません。英国では、移民の滞在のために税金を使ってホテルを借り上げるなどコストをかけていることは事実ですから。