精神科を受診する最大の目安は「日常生活に支障をきたし始めた時」です。不眠による日中の活動困難、過度な確認行為での遅刻、発作の不安で外出できないなどのケースが該当します。受診すべきか迷う場合も自己判断せず、ひとりで抱え込まずに専門家を頼りましょう。早期治療につながるだけでなく、「大丈夫」と診断される安心感も得られます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
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精神科を受診する目安とは?
「どのような時に精神科を受診したほうがいいですか?」「受診の目安を教えてください」と聞かれることがよくあります。実は、どのような症状であっても、精神科を受診すべき「明確な目安」というものがあります。今回はそのお話をさせていただきます。
結論から申し上げますと、「日常生活に支障をきたし始めたら」、それが受診のサインです。いくつか具体的な例を挙げて説明しましょう。
症状から見る「日常生活への支障」の具体例
➊不眠のケース
もともと寝つきが悪く、緊張した時や旅行の前日などに眠れない程度であれば、日常生活は普通に送れているため受診の必要はありません。しかし、連日の寝不足によって日中の活動に支障が出たり、眠気が強すぎて車の運転ができないといった状態になれば、受診の目安となります。
❷強迫性障害(鍵の確認)のケース
強迫性障害とは、頭の中にひとつの考えが湧き、それを打ち消すための行動によって生活に支障が出る不安障害の一種です。例えば「鍵を閉め忘れたかもしれない」という不安から何度も確認をして遅刻してしまう場合や、確認作業を見越して本来より1時間も早く家を出るといった場合は、生活に支障が出ていると言えます。
➌強迫性障害(不潔恐怖)のケース
トイレの後に30分も手を洗い続けて手がボロボロになり、トイレから出られない場合。また、「汚いから」と電車のつり革に触れずに急ブレーキで転倒して怪我をしたり、外のトイレが使えずに失敗してしまうといった場合も、日常生活に支障をきたしている状態です。
➍パニック障害のような症状のケース
特急列車など「すぐに出られない場所」に行くのが少し苦手という程度なら問題ありません。しかし、発作に対する恐怖感から「外出そのものができなくなってしまった」という状態になれば、早めに受診をおすすめします。
➎感情の起伏のケース
時々イライラしたり、少し元気すぎる程度ならよくあることです。しかし、一睡もせずに起き続けても平気になったり、気分の高揚から異常な買い物をして後から大変なことになったりする場合は注意が必要です。また、もともと感情の起伏がなかった人に急にそのような症状が現れた場合も、ひとつの受診の目安になります。
判断に迷った時はどうすればいい?
「日常生活に支障をきたしているような気もするし、そうでもない気もする……」と、ご自身では判断が難しい場合もあります。そのような時も、迷わず受診してください。
私たちが診察をして「治療の必要がある」となれば早めに受診して正解ですし、「大丈夫ですよ」と診断されれば、それはそれで大きな安心につながります。
ネットや書籍の情報には精神疾患のチェックリストがありますが、それらはあくまで目安であり、ご自身で確定診断を下すことはできません。また、私たち精神科医も、ネット上のお悩み相談などの文字情報だけでは正確な診断はできず、実際に直接診察してみないと分からないことがたくさんあります。
迷った時は、ひとりで抱え込まずに専門家を頼ってみてください。参考になれば嬉しいです。




