計算はできるのに、図形問題や割合の問題になると急に間違いが増える。そんな子は、数字を見ても、その大きさや割合を具体的にイメージできていないのかもしれません。数量感覚が身についているかどうかは、簡単な図を描かせることで確認できます。ここでは、安浪京子先生の著書「中学受験必勝ノート術」の中から、家庭でもできるチェック法を抜粋・編集して紹介します。
安浪京子著『中学受験必勝ノート術』より
数字の大きさを、図として表現できるか?
まず、お子さんに「縦5cm、横8cmの長方形をフリーハンドで描いてみて」と言ってみましょう。
定規を使って正確に5cm、8cmを測る必要はありません。ここで見たいのは、5と8の大きさの違いを、図の形に反映できているかどうかです。
縦が5cm、横が8cmなので、横のほうが縦よりも長くなります。横の長さは縦の約1.6倍です。したがって、極端に細長い長方形ではありませんが、正方形に近い形でもありません。
ところが、縦横の長さを逆にしてしまったり、縦と横がほとんど同じ長さになったりする子がいます。なかには、「5」と「8」という数字は書けても、その差を図の大きさとして表現できない子もいます。
これは単なる描き間違いではありません。問題文に出てきた数字を、実際の量として捉えられていない可能性があります。
図形問題では、問題文の数値に応じた図を描けることがとても重要です。たとえば「縦10cm、横11cm」なら正方形に近い形になり、「縦2cm、横10cm」なら横に細長い形になります。こうしたおおよその形をイメージできれば、計算結果が不自然ではないかを判断する助けにもなります。
もう一つ試してほしいのが、線分図を使った割合のチェックです。
1本の横線を描き、「この長さの3分の1の位置に印をつけてみて」と聞いてみます。
3分の1は、全体を同じ長さに3つに分けたうちの1つ分です。しかし、印が中央近くにあったり、端に寄りすぎていたりする場合は、「3分の1」がどのくらいの大きさなのかを十分にイメージできていません。
最初から目分量で正確に分けるのは難しいため、慣れないうちは定規で長さを測ってもかまいません。たとえば全体が12cmなら、3分の1は4cmです。実際に測って印をつけたあと、図全体を眺め、「3分の1とはこのくらい」と感覚を確かめます。
こうした練習を繰り返すことで、2分の1、3分の1、4分の1などの割合が、数字だけでなく視覚的なイメージとして身についていきます。
割合や比の問題では、式を覚えるだけでは不十分です。「全体に対してどのくらいか」をイメージできていれば、線分図の分け方や答えの見当もつきやすくなります。
子どものノートを見るときは、数字や答えが合っているかだけでなく、図の縦横の長さや線分の分け方にも注目してみてください。数量感覚の弱さに早く気づくことが、算数の苦手を克服する第一歩になります。
*本記事は、「中学受験必勝ノート術」から、抜粋・編集したものです。



