写真はイメージです Photo:PIXTA
株価が「下がったから売る」「上がったから買う」――そんな行動を繰り返す人ほど、実は損をしやすい。なぜ人は、売り時と買い時を間違えてしまうのか。行動経済学は、人間が非合理な判断を繰り返す「心のクセ」の存在を明らかにしてきた。ノーベル経済学賞受賞者ダニエル・カーネマンの研究から、投資家を負けへと導く心理の正体を解き明かす。※本稿は、投資コンサルタントのチャールズ・エリスによる『チャールズ・エリスの超長期投資入門』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
投資の判断ミスを防ぐ
行動経済学者の教え
株式相場が下落すると慌てて売ろうとし、相場が上がると買いたくなる(何千人もの投資のプロが適正価格を決めている市場に勝つことなど不可能だと知りながら)。
伝統的な経済学は、「人は自分の利益のために、合理的に行動する」と考える。この考え方は、今から100年以上前、経済学者のアルフレッド・マーシャルが提唱したものだ。
しかし、この数十年間の行動経済学者の実証研究によると、すべての人が必ずしも自分の利益を最大化するために行動するとは限らず、自分自身が最大の敵になることもあるという。
行動経済学者たちは、投資家が往々にして合理的でなく、自分の利益のためだけに行動するとは限らないことをデータで実証してきた。私たちはこの事実を知っておくべきだ。そうすれば自分の感情に振り回されずにすむ。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンはこの分野の先駆者だ。
カーネマンはベストセラーとなった著書『ファスト&スロー』(早川書房)の中で、人生と投資に役立つ行動経済学の主張を行っている。







