Photo:Cheng Xin/gettyimages
ホンダがEV事業で巨額損失を計上するなど、自動車王国日本が揺らいでいる。ゲームチェンジャーとして期待されているのが、日本勢が開発で先行している全固体電池を搭載した次世代EVだ。EV市場は今後数年間2桁成長が見込まれており、ここで優位なポジションを獲得できるかどうかが今後の業績を左右するからだ。安値攻勢を仕掛ける中国勢などライバルは多いが、日本勢は次世代EVで再び輝くことができるのか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、全固体電池の仕組みを紹介しつつ、注目すべき8社を取り上げる。(経済ジャーナリスト 和島英樹)
EV戦略に出遅れた日本勢だが
全固体電池搭載EVで巻き返しなるか
EV(電気自動車)事業で巨額損失を計上したホンダに続き、トヨタ自動車もEV戦略を見直す方向だと報道されるなど、日本の自動車メーカーにとってEVは鬼門といっていい。
起死回生の一手として注目されているのが、全固体電池を搭載したEVだ。全固体電池とは、EVバッテリーとして現在主流のリチウムイオン2次電池の構成材料である電解質を液体から固体に代えたものである。
特長を端的に言うと、安全性が高く、幅広い温度で使用が可能で、性能が劣化しにくい。また、電池寿命が長く、充電時間の短縮や1回の充電で航続距離が長くなるなどのメリットもある。
足元では技術的な壁をクリアしつつあり、全固体電池を搭載したEVの量産化が近づいてきている。中でも先頭を走るトヨタ自動車は、早ければ2027年にも実用化の方針を打ち出し、今年に入ってから協業する出光興産や住友金属鉱山などが部材の量産化を相次いで発表している。
米トランプ政権のEV政策後退の影響もあり、日米ではEV普及が停滞しているが、中長期的にはEVシフトが進むことは確定的と見込まれている。BYDなど中国勢の台頭もあり、このままではトヨタ自動車ですら存在感が低下しかねない状況にある。自動車王国として世界をけん引してきた日本だが、その地位を維持することはできるのか。
全固体電池は世界でも日本が先行している分野だけに、ゲームチェンジへの期待は大きい。次ページでは全固体電池の強みについて解説しつつ、全固体電池関連で注目の日本企業8社も紹介する。







