第1位 「俺がやってた頃はさ……」

そして、最も人がついてこなくなるのが、この一言です。

「俺について来い!」で部下がついてきてくれた時代があったかもしれませんが、今は逆効果です。
――『自分の言葉で話せるようになりましょう。』より

「俺はこうやってきた」と語るのは、部下の意識を、上司である自分に向けさせる行為です。
すると部下は、上司の顔色を窺い、上司が褒めそうな動き方を無意識に選ぶようになる。本書はこれを、部下が「消費される」状態と呼びます。成果は出ても、部下は自分自身と向き合えないまま、年月だけが過ぎていく。

では、ついていきたいリーダーは何と言うのか。

ミスをしても、責めない。代わりに「なんで、そう思ったんだろう?」と問いを投げます。
それは、まるで部下の前に鏡を置いて、「自分で、自分をよく見てごらん」と内省を促し、そっと背中を押すような行為です。
冒頭で触れた「お前を見ろ」型とは、こういうリーダーのことです。

“お前を見ろ”タイプの上司の元では、部下は自ら考えるようになります。自分で考え、自分の言葉で答えを出していく。
――『自分の言葉で話せるようになりましょう。』より

そして本書は、こう結びます。
会社を経営してわかったのは、「いいリーダーは、人を動かそうとしない」ということ。

人を動かそうとした瞬間、部下の意識はこちらに向きます。動かすのをやめ、相手が自分から動きたくなる問いを置く。それが、結局いちばん人がついてくるリーダーなのです。

(本稿は、『自分の言葉で話せるようになりましょう。』の一部を引用したオリジナル記事です)