修繕積立金を意図的に
低く設定する悪質業者に要注意
加えて、建物の老朽化に住民の高齢化と死という問題が重なると、別の深刻な事態が生じる。高齢者が亡くなり相続人が不明のまま放置された部屋は、管理費も修繕積立金も払われない状態になる。
こうした部屋がマンション内に増えると、修繕積立金の回収ができず、修繕費が賄えなくなる。最終的には管理組合が競売にかけるという手段を取ることになるが、マンションによっては競売にかけても誰も落札せず、問題は解決しないまま宙に浮くことになる。相続人不明の問題は、戸建ての空き家に限った話ではない。
修繕積立金が必ず上がるという構造を逆手に取る悪質な業者もいる。新築マンションを売り出す際に、修繕積立金を意図的に低く設定するのだ。
月1000円という、常識的に考えればありえない金額に設定したワンルームマンションの例も実際にある。修繕積立金が低ければ毎月のコストが小さく見えるため、購入時のキャッシュフローが良く、買い手がつきやすい。
しかし5~6年後には本来の金額に引き上げられ、月1万円・2万円へと跳ね上がる。最初から高く設定しておけば何も問題はないが、それでは新築時に高値でつかませることができない。修繕積立金が異常に安い新築物件を見たら、そのスキームを疑う必要がある。
どんなにいいマンションでも
15年で修繕が必要に
大規模修繕の中身――防水・配管・エレベーターでは、修繕積立金を使って何を修繕するのか。大規模修繕の具体的な内容を知ることは、修繕積立金がなぜ膨らみ続けるのかを理解するうえで欠かせない。
図4は、高経年マンションにおける修繕不足の懸念をグラフ化したものである。
同書より転載 拡大画像表示







