マンション大規模修繕の談合事件ついに決着、大手企業が軒並み排除措置命令へ!管理組合は「5つの対策」で工事を談合から守れPhoto:PIXTA

1年以上を費やした公正取引委員会のマンション大規模修繕工事の談合事件調査がついに動きそうだ。マンション修繕工事業界の大手ほぼ全ての企業が排除措置命令の対象となり、マンション100件以上が巻き込まれる事態となりそうだ。修繕工事を控えたマンション管理組合はどう対策すればいいのか。連載『マンション羅針盤』の第29回では、この影響と実践的な対策を大手管理組合理事長団体のトップが解説する。(マンション管理士 應田治彦)

首位管理会社と施工会社がそろって排除措置命令へ
マンション管理組合はどう自衛したらいいのか

 公正取引委員会が1年以上かけて調査していた、首都圏のマンション大規模修繕工事を巡る大規模談合事件に、ついに動きが出た。公取委は管理会社系を含む施工会社と設計コンサルタント計40社に独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、そのうち38社に近く排除措置命令を出すもようだ。対象マンションは関東だけで100件超と、修繕工事の談合認定としては過去最大規模となりそうだ。

 排除措置命令を受ける施工会社は業界大手ばかりだ。昨年度の元請け工事額ランキング上位10社のうち7社が含まれ、タワーマンションの特殊足場市場を寡占する数社の企業のほとんどが摘発対象となった。さらに最大手管理会社とその系列企業も含まれることになりそうだ。「報道で名前の出た会社を避ければ安心」という話では到底なく、不適切コンサルによる発注調整が常態化していたとみるべきだろう。

 談合の背景には建設業界の構造的危機がある。技能者の高齢化や、労務費・資材費の高騰が続く中、激しい価格競争で利益を削るより、業者間で結託して確実に利益を確保しようとする動機が強まっているのだ。

 真面目に修繕積立金を納めているマンションの区分所有者の財産は、この狂乱の市場において、悪徳業者たちの格好の「標的」となっていたことになる。立ち入り検査開始から1年以上が経過しており、この間、工事業者選定をどうすればいいのか苦しむ管理組合も多かった。

 今回の談合はそもそも、どうして起こったのだろうか。そして、業界の大手企業がほぼ全て関わっていたという構図が明らかになった今、被害に遭わないためには何が管理組合に必要なのか。実例に基づく具体的かつ詳細な5つの対策と共に次ページから詳しく見ていこう。