
家やマンションを購入する時、やはり「新築」には憧れるもの。だが資産形成という視点から考えた時、新築を選択するのが必ずしも正しいとは言えないのだという。新築と中古どちらの物件を買うべきなのか、専門家が解説する。※本稿は、稲垣慶州『住む資産形成 資産価値重視で後悔しないマンションの選び方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
新築のワクワク感のために
10%も払っていいのか?
新築か中古か、どちらを選択するかは考え方次第です。
「新築プレミアム」という言葉があります。
新築ならではの特有の価値を示したものです。建てられたばかりの家やマンションであっても、誰かが住んでしまえば、その瞬間、10%程度価格が落ちます(2025年現在は価格上昇局面であり状況は異なります)。
どうしてかといえば、プレミアムが失われるからです。合理性に欠ける価値基準のようですが、感情に左右される部分はそれだけ大きいということ。また、新築は原価+利益を積算して価格設定するのに対して中古は取引事例を基に査定するため価格差が出ます。
新築プレミアムとは新築に住むという“ワクワク感の値段”と言い換えられるのかもしれません。
家やマンションの購入が人生最大の買い物である以上、できれば新築を買いたいのは当然の心理と言えます。
新築にするか中古にするかの判断は、どちらが正解と決められることではないのだろうと私は思います。